主力の「飲食店向け」が好調、前期比65.1%増!
カクヤスGの業績改善の要因は、主力の飲食店向け販売の回復だ。
巣ごもり需要によって家庭向けはコロナ禍でむしろ伸びていたが、その半面、売り上げの過半を占めている飲食店向けが落ち込んだ。
このため、全体としてはコロナ前の2019年3月期に比べて「2桁減収、経常赤字」が2022年3月期まで2期続いた。2023年3月期は3期ぶりに赤字を脱却する見通しだったが、ここへきて黒字幅が拡大する上方修正に至ったというわけだ。
月次売上高をみると、飲食店向けは2023年2月に前年同月比約2倍、3月は54.3%増と伸びている。2023年3月期の通期としては前期比65.1%増だ。
通期でコロナ前の2019年3月期と比較すると、11.9%減。ただ、足元の2023年2月は2019年2月と比べて1.5%減、2023年3月は2019年3月比で2.2%減というところまで回復したことが、今回の上方修正につながった。
一方、家庭向け売上高は2023年2月に前年同月比0.3%減、3月は1.2%減と微減。通期では前期比2.9%減。しかし、2019年3月期と比較した2023年3月期の家庭向けは17.5%増だ。これまで伸ばしてきた水準をある程度維持できれば御の字ということだろう。
こうした業績が投資家に好感され、株価を押し上げている。(ジャーナリスト 済田経夫)