「男性にも妊婦体験、出産体験、出産講座をもっと普及させて」
一方、男性の意識改革が求められている。ただ休みを取るだけで育児をしない「取るだけ育休」を批判する意見が多かった。
「育児休暇を取得しても、育児をしないでスマホいじっているとか、そもそも育児や家事の手伝いではなく、子供と2人きりになっても全部できるくらいの積極的に動く姿勢がなければ、育休取っても邪魔なだけだと思う」(50代:今は働いていない)
「取得しても休みだと勘違いしている男性もいて、かえって手間が増えたと嘆いていた親戚がいました。取得する前に講習などで、どのようなことを手伝ってもらいたいのか、きちんと考える場を設けることを義務付けたらよいと思う」(50代:正社員)
「家事や子育てができない、やらないならば育児休業を取って家にいられても邪魔なだけ。夫婦同時に取らずに交互に育休をとり、男性もしっかり家のことをしてこそ意義のある育休になる」(40代:パート))
「しっかり育児をサポートしてくれるなら休んでほしい。俺よりママのほうがうまいからや~、俺がやると泣くから~など、言い訳して結局やらないなら仕事していてほしい」(40代:パート)
そして、こんな提案も。
「育児休業だけでなく、出産前から休業をとりやすいようなサポートがあればいい。また、男性にも妊婦体験、出産体験、出産講座などをもっともっと普及させるべき。出産が命がけのことを知ることを義務にするべき」(40代:パート)
「まとまった休業ではなく、育児で必要な時にいつでも単発で取れる有休のようにしたほうが、いろいろな意味で無駄がないし、都合がよいと思う」(40代:パート)
調査を行った「しゅふJOB総研」研究顧問の川上敬太郎氏はこうコメントしている。
「改正法施行から1年が経ったことを受けて、『変化を感じたことがあればお教えください』と質問すると『変化を感じたことは何もない』との回答が62.6%。しかしながら、『男性の育休取得者が増えた』15.3%、『育休取得の意向を聞かれる男性が増えた』9.6%と、少ないながらも効果を感じている声が見られます。男性育休取得の促進は段階的に施行されていることも踏まえると、まだ日は浅いものの効果が表れる気配は感じられるようです。
フリーコメントに寄せられた声の多くは、男性育休取得促進を支持するものでしたが、育休を取得するだけで育児をしない『とるだけ育休』を危惧する声が複数見られました。男性の育休取得促進と同時に、ただ休みを取得するだけで育児をしない『とるだけ育休』にならないよう、しっかりと育児を行うことについても促進することが必要です」
調査は2023年3月15日~22日、インターネットを通じて女性554人、男性54人からアンケートを行なった。(福田和郎)