新入社員が加わり、こないだまで新人だった2年目が、今度は彼ら彼女らの指導に当たる――そんな活気ある光景が、あなたの職場でも見られる時期かもしれない。
そんななか、ソニー生命保険(東京都千代田区)が2023年4月20日に発表した「社会人1年目と2年目の意識調査2023」をみると、目標にしたいイメージに合う男性・女性芸能人にはそれぞれ「櫻井翔さん」と「天海祐希さん」がランクインし、新入社員にとってデキる先輩のイメージが明らかになった。
また、「完全出社」と「完全リモートワーク」を択一で選ばせる質問では、出社が「54.7%」でテレワークは「45.3%」となり、同社は「出社して職場で少しでも多くの訓練を受け、少しでも早く人間関係を築きたいと思う新社会人のやる気と焦りが垣間見えます」とコメントする結果となっている。
初任給でしたいこと1位「貯金」、2位「生活費に充てる」、3位は「親に贈り物を買う」
この調査は、2023年2月21日から2月24日まで、2023年春から働き始める社会人1年生、または、就職してから1年が経つ社会人2年生の20歳から29歳の男女を対象に実施した。今年で10回目。1年目500人と2年目500人の計1000人の有効サンプルの集計結果を公開したもの。
まず、「社会人一年目のお金の使い方」について。
社会人1年生に初任給をどのようなことに使いたいか聞いたところ、1位は「貯金に回す」(44.4%)、2位は「生活費(食費など)に充てる」(29.6%)、3位は「親への贈り物を買う」(27.4%)、4位は「親をご馳走につれていく」(25.8%)、5位は「自分にちょっと良い物を買う」(25.2%)という結果になった。これまで育ててくれた親に感謝の気持ちを表すことが3位と4位にランクインするなど、暖かい気持ちになる結果となった。
ただ、社会人2年目が実際に初任給を何に使ったかを尋ねた結果では、「親への贈り物を買う」(22.6%)、「親をご馳走につれていく」(19.8%)は1年目の「使いたい」の数字よりやや割合が低めに。
続いて、社会人2年目に初年度にかかったお金を聞いてみると、男女別にみると、かかった金額の平均は、「身だしなみ」では男性4万107円、女性4万4312円と、女性のほうが4205円高くなった。
他方、「実家に入れた金額」では男性14万4428円、女性12万9459円と、男性のほうが1万4969円高くなる結果だった。
平均値で一番高かったのが「プライベートな付き合い・交際」が平均で21万3448円。これは前年が17万68円だったので、比較すると4万3380円の上昇になる。。次いで「実家に入れた金額」が13万6944円、スーツや化粧品などの「身だしなみ」が4万2210円、セミナー参加・書籍購入の「自己投資」が2万4205円となった。
「プライベートな付き合い・交際」の費用の大幅な上昇について 同社では、
「2022年3月21日をもって、新型コロナ感染拡大防止のためのまん延防止等重点措置がすべて解除されたため、友人などと交流する機会が増えた人が多いのではないでしょうか」
と分析している。
一緒に働きたい先輩は「教え方うまい」「思いやり」「信頼がある」 一方で働きたくない先輩は「いつもイライラ」「悪口・嫌味ばかり」
つぎに、1年目と2年目両方に働き方の希望を尋ねた。
「完全出社」か「完全テレワーク」か、どちらか一方の働き方を選ぶならどちらを選ぶか聞いたところ、「完全出社」は「54.7%」、「完全テレワーク」は「45.3%」となった。
昨年の調査結果と比較すると、「完全出社」と回答した人の割合は、2022年の「45.1%」から「54.7%」と9.6ポイントの上昇。新型コロナの感染状況が落ち着き、テレワークから出社に切り替える会社が増える中、出社勤務を希望する人は増えているようだ。
引き続き、「居住地域制限がないテレワーク制度(出社が必要な際は、新幹線や高速バス、飛行機の利用が認められ、交通費は上限なく支給されるもの)」を勤務先が導入したら利用したいか聞いたところ、「利用したいと思う」は「75.1%」、「利用したいと思わない」は「24.9%」となった。
社会人2年生の回答をテレワーク経験の有無別にみると、「利用したいと思う」と回答した人の割合は、テレワークをすることがあった人では「78.7%」と、なかった人の「68.3%」と比べて10.4ポイント高くなる結果だった。
さらに、一緒に働きたい先輩と働きたくない先輩の項目では、「一緒に働きたいと思う、好きな先輩・上司の特徴」として「教え方がうまい」(49.1%)、「思いやりがある」(46.1%)、「信頼してくれる」(44.6%)、「指示が的確」(43.2%)、「褒め方がうまい」(42.9%)の順番となった。
一方、「一緒に働きたくないと思う、嫌いな先輩・上司の特徴」では「いつもイライラしている」(50.6%)、「口を開けば悪口・嫌味ばかり」(47.1%)、「相手によって態度を変える」(41.8%)、「自分の間違いを認めない」(41.7%)、「他人の粗探しばかりする」(39.2%)の順となった。
この結果について同社では
「男女別にみると、「口を開けば悪口・嫌味ばかり」(男性37.2%、女性57.0%)と「相手によって態度を変える」(男性32.0%、女性51.6%)は、男性と比べて女性のほうが約20ポイント高くなりました。女性には、人を誹謗・中傷したり、人に対して公平さに欠ける態度をとったりする先輩・上司に対して、嫌悪感を持つ人が多いようです。」
と解説している。
やる気が出る言葉では「君がいて助かった、ありがとう」が34.7%の支持を得る
今度はモチベーションに影響を与える言葉をみると、やる気の上がる言葉には、「君がいて助かった、ありがとう」(34.7%)、「本当によく頑張った」「何でも相談してね」(いずれも26.7%)などが挙がった。
一方でやる気の萎える言葉では、「この仕事向いてないんじゃない?」(26.7%)、「もういいよ、別の人にお願いする」(25.8%)、「私が若いころは○○だったのに」(21.4%)という結果になった。思わず口から出てしまわないように気を付けたいところだ。
最後に目標にしたい先輩のイメージに合う男性・女性芸能人を見てみよう。
目標にしたい先輩のイメージに合う男性有名人の1位は「櫻井翔さん」。2位「木村拓哉さん」で、3位「西島秀俊さん」となった。現在、櫻井さんは41歳で、アイドルとして活動しながら慶應義塾大学を卒業し、ニュースの司会を行うなど聡明なイメージがポイントになったようだ。
一方で、目標にしたい先輩のイメージに合う女性有名人を見てみると、1位「天海祐希さん」。2位は「北川景子さん」、3位は「有村架純さん」となった。宝塚出身で様々なドラマで女性上司役をこなす天海さんのイメージは、活躍している女性社員に重ねやすいようだ。
同社は調査の総括として次のようにコメントしている。
「『完全出社』か『完全テレワーク』か、どちらか一方の働き方を選ぶならとの問いには、過半数が「完全出社」を選びました。新社会人は学生時代の大半をオンライン授業などで過ごし非対面の気楽さには慣れているはずですが、仕事となれば話は別のようです。出社して職場で少しでも多くの訓練を受け、少しでも早く人間関係を築きたいと思う新社会人のやる気と焦りが垣間見えます」
「今回の調査に表れた新社会人の転職意向の高さや出社を望む姿は、成長意欲の表れにも見えてきます。スキルアップできる会社で働き、自身の能力を高めたいと思うのは、新社会人としてとても健全であり自然なことです。
会社はホワイトな職場を追求することだけに注力せず、「可愛い子には旅をさせよ」の姿勢も必要でしょう。仕事上の困難や厳しい経験を通じて自力で成長しようとする若手社員をいかにサポートするかが、会社に問われているのではないでしょうか」