LGBTQ+当事者の仕事や職場に関する意識調査 「やりたい仕事」応募前に諦めた経験者78.1% 企業や団体に求めることは?

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   LGBTQ+コミュニティの人たちの仕事探しや職場において直面している困難や課題、職場に求めることには、どんなことがあるのだろうか――。

   求人検索エンジンのIndeed Japan(東京都港区)は「LGBTQ+当事者の仕事や職場に関する意識調査」の結果を発表した。

   それによると、職場で生きづらさを感じるLGBTQ+の当事者は39.1%、自身の特長によってやりたい仕事を応募前に諦めたことがある人は78.1%という実態が明らかになった。

  • どんな人でも働きやすい職場とは?(写真はイメージです)
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「職場で生きづらさを感じる」LGBTQ+当事者39.1%

   この調査は、全国の20代から50代の3万643人(うちLGBTQ+当事者1000人を含む)を対象とした。また、今回、「LGBTQ+当事者」とは「シスジェンダーかつ非ヘテロセクシャル(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、パンセクシャル、アロマンティック・アセクシャルなど、性的指向においてクエスチョニングのいずれか)、トランスジェンダー、エックスジェンダー、クエスチョニングにて均等割付を実施」したもの。インターネットアンケート形式で、期間は2023年3月17日から3月27日まで。

(indeedの作成)
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   はじめに、「職場で生きづらさを感じる」かどうかを聞いたところ、LGBTQ+当事者の「39.1%」が生きづらさを感じていると回答した。これは、非当事者の「生きづらさを感じる」の「26.8%」の約1.5倍だ。

   同社では「LGBTQ+当事者は非当事者よりも、職場において困難を抱えている可能性が高いことが示されました」とした。

(indeedの作成)
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   つぎに、「LGBTQ+当事者であることで、仕事探しまたは仕事をしているときに不安やストレス、嫌な思いをした経験」があるかを尋ねたところ、LGBTQ+当事者の3人に1人が「ある」と答えた(「感じたことが複数回ある」20.9%と「感じたことが1度だけある」12.6%の合計=33.5%)。

(indeedの作成)
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   また、「仕事探しや職場において感じた不安やストレスなどに対し、どのような対策をしたか」という問いに対しては、「35.5%」が「誰にも言わず/何もしなかった(自分の心のなかにとどめた)」と回答。

   また、「64.5%」は何らかの対策をしており、最も多かったのは「公的・民間の窓口など社外の人や組織に相談した」が「12.5%」で、他にもLGBTQ+コミュニティや友人などへの相談も「11.9%」で上位となった。

   一方で、全体の約5人に1人(21.5%)が「転職/退職(転職活動の開始を含む)」を選択した経験があることも明らかとなった。

(indeedの作成)
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   続いての質問では、「現在の職場において、同僚や上司に対してカミングアウト(自身の性自認や性的指向を誰かに打ち明けること)をしているか」を聞いたところ、有職のLGBTQ+当事者の「75.8%」が「カミングアウトをしていない」と回答した。

   同社では

「この結果より、企業(職場)からは、LGBTQ+当事者の存在が『見えづらい』状況が考えられます。そのため、企業(職場)においてLGBTQ+当事者がいる前提での環境づくりやコミュニケーションが進みにくいことで、LGBTQ+当事者が職場で感じる不安や生きづらさにつながっているという可能性も考えられます」

   とコメントしている。

仕事を諦めた理由...「多様な性が認めてもらえない」「制度がない」「勤務中の服装・髪型」

(indeedの作成)
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   引き続き、「LGBTQ+当事者であることで、やりたい仕事に『就くこと』『続けること』を諦めた経験」について質問すると、「31.5%」の人があきらめた経験があると答えた。

(indeedの作成)
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   さらに、「やりたい仕事に就くことを諦めたことのある」LGBTQ+当事者のうち、「78.1%」が「応募前」に諦めた経験があるとした(「仕事探しをする以前から(やりたい仕事に就けると思いもしなかった)」16.8%、「仕事探しをぼんやりと考え始めたとき」23.8%、「どのような求人があるか調べていたとき」20.3%、「求人情報を見て。自分にあったものを比較検討していたとき」17.1%=以上の合計78.1%)。

   同社の分析では

「やりたい仕事に就くことを諦めたLGBTQ+当事者は、仕事に応募する前の段階で何らかの障壁に直面している可能性があることが明らかになりました」

   としている。

(indeedの作成)
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   具体的に「やりたい仕事に就くことを諦めた」について理由を見てみると、1位が「男性らしさ・女性らしさの決めつけなど、多様な性のあり方について理解のない発言をされた」が「17.1%」となった。

   ついで、「求人を調べているとき、採用企業にLGBTQ+に対する制度があるかわからなかった」「勤務中の髪型、化粧、服装(制服着用など)などの要件が希望と合わなかった」がともに「13.1%」という結果となった。

「やりたい仕事を続けることを諦めた」理由に、「見た目の性別で決めつけた発言や扱い」

(indeedの作成)
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   一方で、「LGBTQ+当事者であることで、やりたい仕事を続けることを諦めた理由」では、1位「見た目の性別決めつけた発言や扱いをされた」(15.7%)、2位「差別的な発言・行動をする上司・同僚がいた」(14.2%)、3位「LGBTQ+当事者の社員/事例がなく、制度や環境について会社に希望・意見を伝えづらい」(13.1%)という結果になった。

(indeedの作成)
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   また、LGBTQ+当事者がやりたい仕事を諦めないために、企業や職場に求めることを尋ねたところ、1位「差別的な発言・行動をする上司・同僚がいない」(24.7%)、2位「カミングアウトしない人も、職場の居心地がよい」(23.8%)、3位「カミングアウトしない人も、職場での人間関係を深められる」(20.1%)だった。

   そのほか、企業に求めることの意見では、以下のような声が集まった。

・企業としてだけではなく、社会貢献として、勤務している社員やその家族、取引先の関係者が勤務時間外であっても、多様性における配慮に欠けた言動をしないように、定期的に社内外で講習などを行なってほしい。
・「LGBTQ+という特別な人たちがいる」のではなく、「人には人の数だけ性がある」ということを理解する。会社を挙げてSNSなど一般の人からも目につくところでLGBTQ+コミュニティを支援していることを発信してほしい。
・LGBTQ+の人たちが世の中に沢山いること自体が当たり前の事だと、全ての人が思える社会づくり。自分の価値観も、他人の価値観も、受け入れられるべきものだと、企業や会社の人ひとりひとりが何度も発信していってほしい。

   同社は総括として

「LGBTQ+当事者の約4割が『職場で生きづらさを感じる』と回答し、非当事者の約1.5倍に当たることがわかりました。またLGBTQ+当事者の3割以上が『性自認や性的指向がきっかけで、やりたい仕事に就くことを諦めたことがある』と回答し、そのうち約8割が仕事に応募する前に諦めた経験があることが分かりました。これらの結果から職場においても、仕事を探す段階でも、LGBTQ+当事者は障壁に直面しやすい状況であることが推測されます」

   としている。

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