ミスマッチを防ぐために「本音」重視 「自身の想いや考えを聞かせてくれる人事担当者がいる企業は好感が持てる」
では、こうした「面接では本音で話したい」学生を採用するためには、人事部門はどのように対応するとよいのか?
もうひとつ、学情がおこなった「人事担当者とのコミュニケーション」についての調査結果(4月19日発表)が参考になるだろう。この調査は2023年3月14日から30日まで行った。対象は、「あさがくナビ2024」のサイト訪問者645人。
まず、採用において「人事担当者は本音で話してくれていると感じる」と回答した学生は「12.9%」だった。「どちらかと言えば本音で話してくれていると感じる」の「25.9%」を合わせると、「38.8%」の学生は「本音で話してくれている」と感じているようだ。
他方で、「本音で話してくれていないと感じる」(9.5%)、「どちらかと言えば本音で話してくれていないと感じる」(15.7%)と回答した学生も「25.2%」になった。
4人に1人は、採用において人事担当者は本音で話してくれていないと感じていることが分かった。
続いての質問では、「人事担当者や現場の社員の本音を聞きたい」と回答した学生が「75.7%」となった。「どちらかと言えば本音を聞きたい」の「18.6%」を合わせると、人事担当者や現場の社員の本音を聞きたいとした学生は「94.3%」にまで達している。
回答者の声をきいてみると、
「入社後活躍できるかどうかをイメージするために、リアルな情報を知りたい」
「自分の大切にしたいことや貢献したい課題と、会社の方向性が合致しているかを知りたい」「人事担当者や現場で働く人の想いや考えを聞き、自身の目指す方向性と合致しているかを確かめたい」
「ミスマッチがないように、企業のリアルを知っておきたい」
という意見が上がる。
このほかにも
「人事担当は、企業の良い点にスポットを当てて学生にアピールすることが役割だと思う。その中でも、『個人的にはこう思っている』『私はこう思う』と自身の想いや考えを聞かせてくれる人事担当者がいる企業は好感が持てる」
「企業の良いところも、これから改善していくべきところも包み隠さず話してくれる人事担当者は信頼できる」
という意見も上がっている。
本音で話したいZ世代をうまく採用するためには、人事担当者やOB・OGが学生に真摯かつ誠実に対応することが人材獲得の秘訣なのかもしれない。