「環境重視ペットボトル」飲料メーカーから続々 「つぶしたのに元に戻ってしまう」利用者の不満の解消にも

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   大手飲料メーカーがペットボトルのリサイクルや環境負荷を低減するさまざまな取り組みを強化している。 サントリー食品インターナショナルは飲み終わった後にたたむと、約6分の1のサイズになる新たなペットボトルを開発し、2023年4月上旬から投入を始めた。日本コカ・コーラもつぶしやすい容器を取り入れている。

  • 環境重視のペットボトル、各社で対応進む(写真はイメージ)
    環境重視のペットボトル、各社で対応進む(写真はイメージ)
  • 環境重視のペットボトル、各社で対応進む(写真はイメージ)

軽い力でつぶしやすく、たためるような仕組みに

   サントリーが開発した新しい容器は、人気のミネラルウオーター「サントリー天然水」の2リットルのペットボトル。持ち手となる容器の中央部に軽く力を加えると、自然につぶれやすい形状になっている。

   また、容器には折りたたむ目印がついていて、目印の通りにたたんでいくと最後は小さいサイズのまま固定され、再び元の大きさに戻らない仕組みになっている。

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「サントリー天然水」のペットボトル(プレスリリースより)

   ペットボトルについては、利用者から「つぶしたのに元に戻ってしまう」「回収日まで家の中でかさばってしまう」などの不満があり、その解消を目指して開発に取り組んだ。

   苦労してリサイクルするのではなく、「楽しく取り組んでいただくことで、質の高い資源循環に役立つ」(サントリー)としており、楽しみながらリサイクルに向き合えるよう工夫したという。

   日本コカ・コーラは2022年12月、ミネラルウオーター「い・ろ・は・す天然水」のペットボトルを13年ぶりにリニューアルし、全国に導入した。

   「い・ろ・は・す」は09年に発売開始した当初から「おいしく飲み、しぼって(つぶして)、リサイクルする」と打ち出しており、「簡単に楽しく参加できるエコアクションを」とPRしてきた。

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「い・ろ・は・す天然水」のペットボトル(プレスリリースより)

   他のペットボトルと比べても「つぶしやすい」と発売直後から人気が高かったが、今回の新しい容器はさらに構造に工夫をこらしている。

   飲んだ後、容器の側面から軽く力を加えるだけで、すぐに平たくたためるような形状になっており、従来より約2割小さくなるという。

アサヒグループHD、使用済み製品から作り替える「水平リサイクル」の実証実験始まる

   他の飲料メーカーもさまざまな対応を進めている。

   アサヒ飲料を傘下にもつアサヒグループホールディングスは23年1月、双日傘下の双日プラネットなどと共同で、ペットボトルのキャップを再びキャップに戻す「水平リサイクル」を実現する実証実験を始めると発表した。

   水平リサイクルとは、使用済み製品を原料として、同じ種類の製品に作り替えることだ。

   新たな原料は必要ないため、持続可能な循環となり、環境負荷を減らせるとされている。すでにペットボトルでは水平リサイクルが進んでいるが、キャップについては実態が不明だといい、実証実験に乗り出すことになった。

   アサヒは「キャップの水平リサイクルの事業が実現すれば、飲料業界では初の取り組みになる」としており、24年度以降、アサヒ飲料の商品にこのキャップを取り入れたい方針だ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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