「¥1680」=「1680円」のつもりが、「3万2916円」の購入額で仰天
4月21日現在、円と元のレートは1元=19.46円だから、約20倍の差は大きい。この「思い込み」を悪用する手口の代表的な被害事例はこうだ。
【事例】価格が日本円で表示されていると思っていたら、中国人民元の表示だった
「1月下旬、画像共有SNSで、ダウンロード版のカリグラフィーのガイドブックの広告を見て、通販サイトにアクセスした。『¥1680』のガイドブックを選び、クレジットカード決済で申し込んだ。申し込み後、通販サイトから届いた受注確認メールには『¥1680』と記載されていたが、クレジットカード会社から届いた決済のお知らせメールには『¥32916』と記載されていた。
『1680円』で購入したつもりが『3万2916円』で購入したことになっていたため、価格が高額で驚いて通販サイトを確認した。すると、『サポート』というページに『通貨は中国人民元円です』と記載されていた。『¥』のマークが表示されていたため通貨の単位は『日本円』だと思っていた。
クレジットカード会社に決済をキャンセルして欲しいと伝えたが、『キャンセルはできない。自分自身で通販サイトにキャンセルと申し出て、その結果を報告して欲しい。その結果次第で調査できる可能性がある。請求は一旦保留にする』とのことだった。今後どのように対応したらよいか」(2023年1月・40歳代女性)
国民生活センターが問題の通販サイトを確認すると、トップページをはじめほとんどが日本語で作成されていた。消費者が画像共有SNS上の広告を見て、申し込みを完了するまでの画面では、「¥」表示が中国人民元であるとの表示は確認できなかった。それは、「注文概要・クーポン入力」と小さく書かれたボタンを押さなければ見えなかった。
また、特定商取引法には明記が義務付けられている、販売業者の名称、住所、電話番号が表示されておらず、メールアドレスだけだった。国民生活センターが、メールアドレスに事実確認の問い合わせのメールを送ったが、返信はなかった。