大阪IRを国内初認定も...国内に広がる「しらけムード」のワケ

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   政府は2023年4月14日、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)の第1号として、大阪府・市の整備計画を認定した。大阪の人工島・夢洲(ゆめしま)でカジノ計画が本格的に動き出すが、問題は山積している状況だ。

  • 大阪の夢洲(ゆめしま)
    大阪の夢洲(ゆめしま)
  • 大阪の夢洲(ゆめしま)

観光の起爆剤として期待 だが、地盤沈下や交通の便などに懸念

「計画実現に向けた大きな一歩だ」

   政府の認定を受け、大阪府の吉村洋文府知事はこう強調した。

   計画では、IRは2029年秋~冬頃の開業を目指す。カジノのほか国際会議場やホテル、シアターなども整備予定で、年間来場者数は約2000万人、年間売上は約5200億円を見込んでいる。

   夢洲では25年に大阪・関西万博の開催が予定されており、IR認定前日の13日には岸田文雄首相も参加して起工式が行われた。大阪府・市は万博とIRという二つの起爆剤を生かして観光戦略を前に進めたい――これが大阪府・市の狙いだ。

   ただ、大盛り上がりの地元を尻目に、国内では冷めた見方が広がっている。

   不安要素の一つは、夢洲そのものにある。

   埋め立て地である夢洲は地盤沈下が起きやすく、基準値を超えるヒ素やフッ素も検出されている。大阪市は土壌汚染対策などのため約788億円の公費負担を表明しているが、IR慎重派は「それだけで賄えるのか。今後、公費負担がさらに膨らむ可能性が高い」と懸念する。

   交通の便の悪さも懸念事項だ。

   夢洲では万博開幕に向けて地下鉄の延伸工事が進められており、JRや民間鉄道各社も乗り入れを検討している。ただ、巨額の整備費用が必要な鉄道の延伸が予定通り進む保障はない。

   アクセスが貧弱なままでは、万博やIRの集客に大きく響く恐れもある。

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