仕事で賢く使うには?...東洋経済「ChatGPT」、エコノミスト「世界金融危機」を特集

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忍び寄る世界金融危機

   「週刊エコノミスト」(2023年4月日号)の特集は、「忍び寄る世界金融危機」。インフレ退治に向け、米国が政策金利を引き上げ始めてから1年。急激な利上げの影響が米国の地銀破綻というかたちで現れた。欧州ではクレディ・スイスが事実上の経営破綻。これは金融危機の予兆なのだろうか。

   米金融業界は、邦銀への影響に関心を高めているという。

   注視しているのは、米国債への投資額が大きい、ゆうちょ銀行と農林中央金庫だ。ゆうちょ銀行は運用資産の34.9%にあたる77兆円を米国債など外国債券に投資している。農林中金の外国債券も24兆円に上る。

   ゆうちょ銀行と農林中金は米国債の投資額が大きいため、投資活動に変化があれば、米国債市場に影響が出かねないので、米当局もメディアも関心を持たざるをえないという。

   米シリコンバレー銀行(SVB)は、全預金の9割近くが2日で流出するという衝撃的な取り付けを起こした。同誌によると、長谷川克之・東京女子大学特任教授は、「SVB破綻を同行固有の問題として片づけるのは危険だ。背景にある預金と債券の2つの危機を乗り切るには、議会の預金保護と中央銀行の金融緩和が必要になるが、容易ではない」と見ている。

   米連邦準備制度理事会(FRB)ですら見誤るほどのリスクの再評価と金融のゆがみが進行中であり、日銀の植田和男・新総裁にはFRBを他山の石として、景気、物価、金融のバランスへの配慮がこれまで以上に求められている、と注文をつけている。

   SVBやクレディ・スイスが経営難に陥ったなかで発動された「ベイルイン」という仕組みについて、解説している。

   ベイルインとは、金融機関が発行する永久劣後債や優先出資証券について、経営が悪化した場合には元本を削減したり、普通株に転換したりすることである。

   リーマン・ショックの反省から規制強化がされた一方で、複雑になりすぎた仕組みに専門家からも戸惑いの声が出ているという。

   今回、クレディ・スイスの破綻によって実行されたAT1債のベイルインは、投資家を大きく動揺させた。クレディ・スイスの株式は、買収するUBSの株式と交換されることになったものの、AT1債については全額減価、すなわち元本がゼロになる。

   BNPパリバ証券チーフクレジットアナリストの中空麻奈氏は、「債券・債権者のリスク許容度を狭める」として、AT1債の無価値に異議を唱えている。

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