日本人の「働く幸せ実感」、世界最低クラス!管理職だけが「幸福」な理由は? 国際比較調査で判明...「権威主義・責任回避」企業文化が元凶だ

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日本と韓国に共通する「権威主義・責任回避」の企業文化

笑顔で働ける職場でありたい(写真はイメージ)
笑顔で働ける職場でありたい(写真はイメージ)

   どうしてこんな結果が出たのか。そこで今回は、昨年の調査データをもとに「なぜ、日本の働く幸せ実感が低いのか」を明らかにする分析を行った。

   注目したのは、最下位の日本に次いで「働く幸せ実感」が低い韓国。日本企業と韓国企業の組織文化は、ともに「上層部の決定にはとりあえず従う」「物事は事前の根回しによって決定される」といった「権威主義・責任回避」が、ほかの国々に比べて比較的高い傾向にあるのが特徴だ。

   【図表2】は、日本と18か国・地域全体の組織文化の特徴の差を、「働く幸せ実感」「働く不幸せ実感」の度合いと重ねわせた相関グラフだ。これを見ると、「権威主義・責任回避」という特徴が、「働く幸せ実感」ではマイナスの最も下に、「働く不幸せ実感」ではプラスの最も上に登場している。

(図表2)日本の「権威主義・責任回避」の組織文化が「不幸せ」を招いている(パーソル総合研究所の作成)
(図表2)日本の「権威主義・責任回避」の組織文化が「不幸せ」を招いている(パーソル総合研究所の作成)

   つまり、日本企業の「権威主義・責任回避」という組織文化が、特に若い働き手の幸福感を低下させる重大な原因の1つになっているということだ。

   このことは、一般社員・従業員層と管理職層に「幸福感」を聞いた調査結果によく表れている。

   【図表3】を見ると、「権威主義・責任回避」の組織文化が、一般社員・従業員層では「幸福感」にマイナスに働いているが、管理職層ではそういった傾向はなく、むしろ「幸福感」が高い。

(図表3)日本では管理職だけが「幸せ」(パーソル総合研究所の作成)
(図表3)日本では管理職だけが「幸せ」(パーソル総合研究所の作成)

   日本以外の国々の組織文化では、このように管理職層と非管理職層の間で「働く幸せ実感」の逆転現象は起こらない。「管理職だけが幸せになれる国」は日本だけなのだ。

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