X世代の「お金の使い方」、Z世代とは微妙に違う結果に 「貯金・投資」にも意識の差

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   43歳から59歳までの「X世代」のライフスタイルや資産についての考えはほかの世代とどのように違うのだろうか?

   そんな疑問に答える調査結果をスマホゲームなどで展開するエイチーム(愛知県名古屋市)のグループであるエイチームライフデザインが2023年4月7日発表した。

   同社では、暮らしの「まよい」を解決する情報メディア「イーデス」を通じて、18歳から26歳の「Z世代」と43歳から59歳のX世代にお金に関する意識調査をおこなった。

   結果を見比べると、Z世代とX世代に共通する特徴として「自分の趣味や友人との楽しみにお金を使う」人が多い傾向があることがわかった。さらに、X世代の特徴として、貯金と同時に投資への関心が高く、目的は「老後資金」としている人が多い実態が明らかになった。

   調査を受けて専門家は

「(X世代は)お金を使う側面でも『(コスパもタイパも)どちらも意識しない』が25%とZ世代より高くなっており、これには『お金を楽しく使えればそれで良い』と言った発想があるのかもしれません。」

   と話すなど、世代ごとの価値観やライフスタイルが表れた結果になった。

  • 世代別のコスト意識や時間意識とは?(写真はイメージです)
    世代別のコスト意識や時間意識とは?(写真はイメージです)
  • 世代別のコスト意識や時間意識とは?(写真はイメージです)

世代別の趣味や楽しみへのコスパ・タイパ意識はどのくらい?

   はじめにZ世代やX世代のという名前について説明しよう。

   Z世代は1990年代後半から2010年代に生まれた世代。現在の18歳から30代前半ごろを指している。若いころからインターネットやスマホやタブレットにふれ、デジタルネイティブとして成長してきている。

   傾向として、コスパ(コストパフォーマンス)やタイパ(タイムパフォーマンス)などを意識する人が多く、映画の倍速視聴やアニメの「ながら見」をする人も多いという。

   一方で、X世代は1965年あたりから1980年代前半にかけて生まれた世代。2023年現在では40歳ごろから60歳ごろにあたり、日本の団塊ジュニアを含む広い年代である。黎明期のパソコン通信に通じている人や、固定電話や公衆電話といったアナログ機器を使いこなして青春時代を過ごしてきた。

   また、現在は家庭を持っている人も多く、家庭や仕事の両立で忙しく、自由になる時間が限られている傾向がある。

   なお、この中間にはY世代(ミレニアル世代)という世代もおり、1980年ごろから1990年前半に生まれた世代である。

   この調査はZ世代に対して2023年3月6日に、X世代に対しては3月3日に調査した。対象は18歳から59歳までの男女。Z世代が518人、X世代は489人をインターネットを通じて調べた。

(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)
(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)

   はじめの質問では、Z世代やX世代がどんなことにお金を使いたいのか聞いた。Z世代の上位は「旅行・観光」(48%)、「ファッション」(45%)、「外食」(41%)、「友人との交際費」(36%)、「美容」(35%)という結果がでた。

   X世代では、「旅行・観光」(59%)、「外食」(47%)、「ファッション」(30%)、「友人との交際費」(27%)、「投資」(27%)、「映画/映画鑑賞」(26%)が上位となった。

   どちらの世代でも旅行やファッション、外食、交際費という自分と友人の楽しみにお金を使っていることがわかった。

   また、X世代では「27%」が「投資」にお金を使いたいと考えているなど、資産形成に対する関心を寄せるという特徴的なデータになった。

(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)
(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)

   今度は逆に、それぞれの世代に「お金をかけなくても楽しめること」について聞いた。

   Z世代では「音楽鑑賞」(23%)、「ゲーム」(20%)、「友人との交際費」(19%)、「特にない」(19%)、「漫画・読書」(16%)が上位となった。

   また、X世代では「特にない」(27%)、「音楽鑑賞」(23%)、「漫画・読書」(17%)、「スポーツ」(17%)、「ゲーム」(15%)がトップ5を占めるという結果がでた。

   音楽鑑賞やゲーム、漫画・読書は低価格でもできるという認識では一致しているようだが、友人との交際費にお金をかけるかどうかという点で世代によってわかれた。

   どうやら、X世代の方が、人付き合いにお金を使うという認識があるようにみえる。

(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)
(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)

   続いての質問は「趣味に対してタイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)を意識しますか?」と問いかけた。

   Z世代では、「コスパを意識する」(30%)、「どちらも意識する(22%)」、「タイパを意識する」(14%)の順で多く、合計値は「66%」が時間や費用の効果を考えることが高いようだ。

   他方、X世代では「コスパを意識する」(27%)、「どちらも意識する」(27%)、「タイパを意識する」(3%)と合計値は「57%」となった一方で、「どちらも意識しない」(25%)という結果になった。

   仕事と家庭の両立で時間に追われたライフスタイルである一方、趣味に対してはゆったりと時間を使う生活スタイルのようにみえる。

Z世代とX世代の投資や貯金への意識の違いとは?

(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)
(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)
(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)
(エイチームライフデザイン/イーデス調べ)

   最後の質問として「貯金や投資は行っているのか」、「行っている場合、どういった目的で実施しているのか」について聞いた。

   まずZ世代では「貯金のみしている」が「48%」、「どちらもしていない」が「24%」、「どちらもしている」が「16%」の順で多い結果になった。中でも、「貯金のみしている」が「48%」と半数近くを占めた。

   X世代の結果では、「貯金のみしている」が「35%」、「どちらもしている」は「30%」、「どちらもしていない」は「26%」と、貯金と投資のどちらも実施している割合がZ世代よりも高い結果となった。

   また「投資のみしている」(9%)と「どちらもしている」(30%)を合わせた「投資をしている人」の割合は、Z世代では28%に留まったが、X世代では39%に上った。年齢が上がるにつれ、投資をしている人の割合が高まるといえそうだ。

   目的について、投資や貯金の目的を聞いたところ、Z世代は「欲しいものを買う」(44.5%)、「旅行資金」(30.2%)、「老後資金」(29.7%)の順になった。

   X世代では「老後資金」(57.9%)、「欲しいものを買う」(27.1%)、「特に考えていない」(25.8%)の順で多くなった。

   同社では、

「Z世代という比較的若い世代でも老後資金への備えを一定数意識しているものの、欲しいものや旅行などを目的として貯金や投資を行っている人も見受けられます。よって、貯金や投資の期間は比較的短いと考えられます。
一方でX世代になると、老後資金への意識がより一層高まり、57.9%と半数以上を占めました。この先の老後に向けて、長期的に貯金や投資をする人も多い印象です」

   とコメントしている。

   また、同社では調査全体の総括として、スキラージャパンの伊藤亮太氏から、以下のようなコメントを得ている。

「X世代はどちらかと言えばまだ日本が良かった頃の状況を味わっている世代です。
そのため、お金を使う側面でも『どちらも意識しない』が25%とZ世代より高くなっており、これには『お金を楽しく使えればそれで良い』と言った発想があるのかもしれません。
なお、X世代は老後が迫ってきていますので、老後資金をメインに貯めようと考えるのもわかります。Z世代がまだまだ先にも関わらず、すでに老後資金を意識している点も印象的でした。
いずれにせよ、お金を貯められるときに計画的に貯め、投資も上手に活用しながら、人生100年時代を過ごせるようにしていくべきですね」
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