取引継続のため、個人事業主の登録さらに増える可能性
一方、個人事業主の登録は急増。「2016年 経済センサス」による個人事業主数(197万9019件)に基づく登録数は85万6060件で、登録率は43.2%。課税事業者(約110万件の個人事業主)に基づく登録率は77.8%となっている。
当初の申請期限だった3月末を前に登録が加速したかっこうだが、依然として法人と比べて登録は思うほど進んでいないという。
個人事業主は、納税が免除されている課税売上高1000万円以下の免税事業者が多い。実数の把握が難しい、企業に雇用されない個人の業務委託契約者なども含めると、個人事業主の免税事業者数は法人数を大きく上回る。
業務委託契約者を含めた個人事業主の免税事業者から課税事業者への移行は、推計で約150万件が見込まれ、「遅れていた登録件数を押し上げ始めているようだ」(東京商工リサーチ)と指摘する。
支払事業者側にも課題は多い。
企業を中心とした支払事業者は、免税事業者と取引を継続すると経過措置もあるが、いずれ税負担が増える。さらに、免税・課税と区分した請求書の管理などコスト負担も重い。
東京商工リサーチは、
「10月からの制度開始を見据え、負担増の把握とともに免税事業者との取引中止を決定した企業が増えれば、取引を継続するために個人事業主の登録がさらに増加する可能性もある」
とみている。