2023年3月末時点のインボイス(適格請求書)制度の登録件数は、累計で268万件に達したことがわかった。
国税庁の「適格請求書発行事業者の公表情報」の法人及び個人企業の登録情報(2023年3月末)を基に、東京商工リサーチが分析。4月14日に発表した。
法人登録が進んでいだ一方で、伸び悩んでいた個人事業主が3月に法人の2倍超となる18万1032件の登録があり、累計で85万6060件に達した。
東京商工リサーチは「(免税事業者と取引がある課税事業者の急激な負担を軽減するために一定期間設けられた)経過措置の効果や取引先からの要請などで、業務委託契約者の登録が押し上げた」とみている。
法人の登録数は3月末時点で182万4807件、登録率97.1%
インボイス制度は10月1日に運用が開始される新しい仕入税額控除の方式だ。
曖昧だった項目別の消費税率を明確にするため、現行の請求書に登録番号や税率、税額を追加した「インボイス」を導入する制度となる。ただ、事務処理の負担増や、個人事業主や小規模事業者の収入減への懸念が指摘されている登録の申請期限は当初3月末だったが、9月末まで延長された。
国税庁によると、この3月末のインボイス制度の登録数(人格のない社団等3348件を除く)は268万867件だった。総務省の「2016年 経済センサス」(活動調査・確報集計〈企業等に関する集計〉)の法人数(187万7438件)を基にした法人の登録数は182万4807件で、登録率は97.1%にのぼった。
3月(単月)の登録数は、昨年11月(21万713件)をピークに4か月連続で前月を下回り、3月は8万2035件とピークアウトしている。【図表1参照】
ちなみに、2020年度時点の売上高が1000万円を超える課税事業者数(法人数205万社)との比較では、登録率は89.0%だった。