働き手の高齢化と人手不足に見舞われている建設業。2024年4月には、建設業でも「働き方改革関連法」が施行されて、労働時間の上限規制がスタートすることともあり、建設業における生産性向上は喫緊の課題だ。
そこで今、「建設DX(デジタルトランスフォーメーション)」による生産性向上、「働き方改革」が求められている。
では、その実情はどのようなものなのか? 建設DXに取り組む野原ホールディングスが2023年4月13日に発表したデータが明らかにしている。
使いこなしたいのは「設計補助ツール」(BIM)が1位! スーパーゼネコンなどで導入率43.9%
この調査は2023年2月15日から22日までの間、全国の建設業界従事者1000人にインターネット調査を行ったもの。
はじめに、「デジタル化に対応できないと将来仕事が減るのでは、という不安」があるかを聞いてみると、「ある」が「63.4%」で「なし」が「36.6%」という過半数が不安を抱えているようだ。
属性別でみると、経営層が「ある」に「66.3%」、管理職が「ある」に「69.5%」、一般職員が「ある」に「59.0%」と管理職層が特にデジタル化についていけるか不安を感じているようだ。
続いて、「使いこなせるとよいと思うデジタル技術(機器・ツール)」について質問すると、第1位は設計補助ツール(BIM)に246票入った。続いて図面データ化ツールが172票、その他に145票、図面からの拾いツールに135票、積算ツールに133票という集計になった。
一方で、現在BIM(ビム/Building Information Modeling)を使用しているかを尋ねると「はい」が「36.2%」、「いいえ」が「63.8%」となり、徐々にではあるが新しい技術が浸透してきているらしい。
ついで、どの業務がデジタル化で生産性向上に繋がる業務を尋ねてみると、上位5位は、図面作成、施工管理、積算関連業務となった。
その理由には業務効率化、人為的ミス軽減、人手不足解消、などへの期待が上がり、さらに、6位の「その業務がアナログのままだとシステム導入やデジタル化が進まないから(22.7%)」があった。
また、図面作成を「デジタル化で生産性向上に繋がると思う業務」に選んだ業種別に問いかけた。
建設プロジェクトの元請業者でもあるスーパーゼネコンや準大手・中堅ゼネコンが全体平均(43.9%)を上回る結果となった。
同社では
「スーパーゼネコンや準大手・中堅ゼネコンは、設計図以外の図面(施工図・製作図)の承認作業が多いこと等がその背景にあるものと推測されます」
と指摘している。