「10年ぶり交代」日銀総裁 黒田東彦氏、植田和男氏...2人の会見から見えた「異次元緩和」とらえ方の「違い」

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大量に買い上げた国債の取り扱いなど...新総裁に丸投げされた「宿題」への難しいかじ取り

   2人の違いについて、日銀内からはこんな声があがる。

「黒田前総裁は大規模緩和の副作用をほとんど考慮せず、強気の立場を貫いた。対して植田新総裁は副作用を含め政策全体を評価するバランス型だ。この違いが今後、金融政策にも影響してくるだろう」

   黒田氏は異次元緩和の副作用について是正策をほとんど講じることなく、日銀を去った。対応は植田氏に丸投げされたかたちだ。

   異次元緩和で買い上げた大量の国債の取り扱いなど「宿題」として残された課題は、どれも一筋縄ではいかない難問ばかりだ。

「私が、黒田総裁が就任した時期に仮に総裁であったら決断できなかったような思い切ったことを実行された。それは10年前の総裁として一つの判断だったと思う」

   10日の記者会見で、黒田氏の評価を聞かれた植田新総裁はこう答えた。

   それは異次元緩和の終わりを示さずに去った黒田氏に対する強烈な皮肉にも聞こえた。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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