民間・公務員あわせたボーナス支給総額、前年比プラス3.3%増加見込み...コロナ前の19年上回る
もう1つ、みずほリサーチ&テクノロジーズの主任エコノミスト風間春香氏の調査リポート「2023年夏季ボーナス予測 高い春闘賃上げ率を背景に2年連続で増加」(4月11日付)によると、2023年夏のボーナス予想はこうだ。
民間企業(事業規模5人以上)の1人当たりボーナスは平均39万6285円で、前年比プラス1.8%と、2年連続の増加を予想する【図表2】。
2023年春闘で、連合の試算では前年比プラス3.7%と、近年にない高い水準での賃上げ率が実現したため、基本給部分にあたる所定内給与の伸びが加速したことが背景にある。
ただし、支給月数に半年ほど先行する傾向がある企業収益が、2022年度下期では弱含みだったため、2023年夏の支給月数は横ばいにとどまる見込みだ【再び図表2】。
一方、公務員(国と地方)の1人当たりボーナスは平均73万1214円で、前年比プラス11.3%と大幅な伸びを予想する。これは、給与法改正の成立が遅れたという昨年の特殊要因により、減額調整されていた反動の面が大きい【再び図表2】。
この結果、民間・公務員合わせたボーナス支給総額は18兆7320億円となり、前年比プラス3.3%増加する見込みだ。これはコロナ前ピークだった2019年の18兆1380億円を上回る規模だ【再び図表2】。
5月8日には新型コロナの感染法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に変更され、経済活動が本格的に正常化される。今夏は、コロナ禍が始まってから初めての行動制限のない夏休みとなる。花火や夏祭りなど各地で多くの行事が復活しそうだ。
みずほリサーチ&テクノロジーズの主任エコノミスト風間春香氏は、
「そうした状況下での賃金とボーナスの増加は、消費者マインドの改善にもつながり、夏場の個人消費は緩やかな回復が続く見通しである」
とコメントしている。(福田和郎)