「面接時の話と違う」と不満を持つ人、4人に1人
では、具体的に入社後にどういった項目に良い・悪いギャップを感じるのだろうか。
「教育体制」「成長環境」「給与水準」「休みの取りやすさ」「人間関係」など9つの項目で、就職前後での印象の違いを聞くと(複数回答可)、満足者では「休みの取りやすさ」「従業員の人間関係」「仕事内容」に良いギャップを感じていた【図表2】。特に「休みの取りやすさ」(59.2%)では6割近くの高い比率だ。
一方、不満者は、特に「教育体制」「成長環境」「給与水準」に悪いギャップを感じていた。いずれも7割以上の高い比率だ。しかも、「社風」「従業員の人間関係」「仕事内容」などの項目も、6割以上。そのうえ、9項目全部で「悪いギャップ」が5割以上というありさま。つまり、転職先の会社の「すべて」が気に入らない状態なのだ【再び図表2】。
多くの項目で「想像していたより悪い」というギャップを抱くあまり、かなり感情的になっている傾向さえうかがえる。
このように、入社前後の印象にギャップが生じる理由はどこにあるのか。
【図表3】は具体的な質問項目を、満足者・不満者との間で比較したグラフだ(複数回答可)。
これをみると、満足度に関わらず、「入社してみないとわからないことも多い」が突出して多く5割~6割を超える。特に、不満者が満足者より目立って高かった項目が、「面接で聞いた内容が実際と異なる」(25.8%)で、4人に1人以上に達し、満足者(9.9%)と比べ大きな違いだ。これは注目すべきポイントだといえる。
というのは、「募集要項に書いていなかった」(16.7%)、「面接で聞いても具体的に答えてもらえなかった」(9.2%)といった項目も、満足者と不満者の人ではスコアに大きな差がみられたからだ【再び図表3】。
面接の対応や募集要項に問題があり、情報が正確に伝わっていなかったことが入社後の満足度を低くする一因と推察される。人事担当者が、希望者を増やすために、実態よりも良い印象でアピールすることもあるだろう。しかし、結果的に誤解やギャップを生んでしまい、入社後に不満を持たれて、会社にとってはまずい事態になるわけだ。