日本初の「宇宙開発上場企業」ispace(アイスペース)ってどんな会社? 気になる社員の給与もチェック【よくわかる新規上場株】

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月に荷物を輸送する「ペイロード」で売り上げ

   このように大きな赤字を生みながらも上場するispaceの将来性はどこにあるのでしょうか。そもそも、どのようにして売上をあげているのでしょうか。

   ispaceは「月面開発事業」の単一セグメントですが、自社で開発中のランダー(月着陸船)およびローバー(月面探査車)を用いて、以下の3つのサービスを提供することをビジネスモデルとしています。

   1つ目は「ペイロードサービス」で、顧客の荷物を自社ランダーやローバーに搭載し、月まで輸送するサービスのことです。ロケット打ち上げ1~2年前の本契約から、ランダーが月へ到着しミッションを完了させるまでの期間にわたって売上計上がなされます。

   なお、ミッション1の「打ち上げ」は2022年12月11日に成功し、2023年3月21日にはランダーが月周回軌道に到達したことが発表されました。これは4月下旬ころを予定している月面着陸、着陸後の安定状態の確立までを10段階としたときの7段階目にあたります。

   2つ目は「データサービス」で、顧客や自社の機器を利用してデータ収集を行い、地球へ送信するサービス。現時点では売上計上の開始には至っていませんが、将来的には主要サービスのひとつとして提供する予定とのことです。

   3つ目は「パートナーシップサービス」で、ispaceの活動をコンテンツとして利用する権利や広告媒体上でのロゴマークの露出、データ利用権等をパッケージとして販売しています。現在「HAKUTO-R」スポンサーとして、日本航空、三井住友海上、日本特殊陶業、シチズン、住友商事、スズキ、高砂熱学、Sky、三井住友銀行が参画。メディアパートナーとして、TBS、朝日新聞、小学館が参画しています。

   2023年3月期のサービスごとの売上高(予想)は、ペイロードサービスが前期比78.7%増の3.96億円、パートナーシップサービスが同0.3%増の2.81億円、その他として受託研究売上が同78.3%の3.07億円となっています。

   また、2024年3月期の同売上高(予想)は、ペイロードサービスが前期比1282.5%増の54.75億円、パートナーシップサービスが同147.7%増の6.96億円、データサービスが2500万円を見込んでいます。

こたつ経営研究会
こたつ経営研究会
有価証券報告書や決算説明書などの公開情報を分析し、会社の内情に思いをめぐらすニューノーマルな引きこもり。昼間は在宅勤務のサラリーマンをしながらデイトレード、夜はネットゲームをしたりこたつ記事を書いたりしている。好きなピアニストはグレン・グールド。嫌いな言葉は「スクープは足で稼げ」。
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