スシロー店舗から出る「使用済み食用油」、次世代航空燃料として活用へ...大手外食チェーン初 「脱炭素燃料」製造コストの高さ、解消の手立てとなるか?

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JALグループLCCのジップエア・トーキョー、SAFを一部活用 SAFの普及に課題は?

   SAFをめぐっては、J-CAST 会社ウォッチが「JALグループLCCのジップエア・トーキョー、カーボンニュートラルフライト実施...成田~ホノルル線 通年では世界初、なぜできる?」(2023年3月1日付)で報じたように、日本航空(JAL)子会社の格安航空会社(LCC)ジップエア・トーキョーも活用している。

   同社は「2023年4月から成田―ホノルル線でカーボンニュートラル(二酸化炭素=CO2=排出量の実質ゼロ)を実現する」と23年2月に発表した。

   ただし、ジップエアが成田―ホノルル線で使うSAFは年間燃料搭載量の約1%に過ぎず、残りは「排出権取引制度」を活用して、通年でカーボンニュートラルを実現する。

   というのも、現状でSAFは、従来のジェット燃料に比べて「製造コストが2~10倍かかる」(業界関係者)うえ、バイオマスや廃食用油など十分な原料の確保が必要だからだ。

   つまり、安定的な製造とコストダウンが課題。それだけに、スシローのような大手外食チェーンが原料となる廃食用油を提供する意義は大きい。

   F&Lは「多種多様な海洋水産・農林資源を原材料としていることから、気候変動を重要な経営リスクのひとつとして位置づけてきた。廃食用油を再利用する取り組みに参加することで、さらなる気候変動対策に貢献したい」と説明している。

   消費者としても、同じ回転ずしを食べるなら、次世代の航空燃料の生産に貢献したいと考えるのではないか。その意味では、大手外食チェーンの社会貢献とイメージアップにもつながる。

   スシローに続く大手外食チェーンはどこか、関心を集めている。(ジャーナリスト 済田経夫)

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