過熱する首都圏の中学受験...ダイヤモンド「中高一貫校」、東洋経済「保険動乱」を特集

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コロナの入院給付金が1兆円近くに

   「週刊東洋経済」(2023年4月15日号)の特集は、「保険動乱」というショッキングなタイトルだ。コロナ患者への総額1兆円近い保険金支払いを迫られている生命保険。インフレで車両修理費などのコストが急速に膨らむ損害保険。両業界の実情に迫っている。

   コロナ患者支援で、生命保険各社の経営環境が激変したという。なぜ、こんなことになったのか。

   厚生労働省は2022年1月下旬、自治体の判断で、本人が提示する簡易検査の結果を用いて医師が新型コロナと診断できるようにした。これにより、宿泊施設や自宅で安静・療養を行う、いわゆる「みなし入院」が一段と増加した。言うまでもなく、オミクロン株の流行で、医療機関が軽症者であふれかえる事態が起きたためだ。

   コロナ禍当初の20年は、みなし入院に対する給付金の支払件数は、業界全体で毎月2000件前後しかなかったが、22年に入ってからは、一気に50万件前後にまで膨らんだ。

   23年に入り、件数は月30万件前後にまで落ち着いたが、それでも前年同月の3倍以上の水準で、生保各社の事務負担が大きい状態が続いている。

   財務上の負担も大きい。これまで生命保険業界が、みなし入院に対して給付金を支払った件数は累計で1000万件を超えており、金額では9300億円と1兆円に迫る勢いだ。

   その裏では、問題が起きていた。入院給付金の不正請求だ。新型コロナ陽性とされた人でも、無症状だったり、体がだるいといった程度の軽症者であったりする場合が多かった。

   そのような中で、陽性になってから、そのことを告知せずに医療保険を契約し、すぐに給付金を請求していると疑われる事例が、急増したのだという。

   神奈川県などが「自主療養制度」を開始したタイミングと重なり、「性善説」に立った制度が悪用された形になった。生保各社は昨年9月、みなし入院に対する給付金の支払い対象を、高齢者など重症化リスクの高い人に限定する措置を取ったが、そこには不正請求の未然防止という要因もあったそうだ。

   さらに、業界最大手の日本生命は不正請求防止の観点から、医療保険などの大幅改定に踏み切った。日帰り入院の際に支払う給付金の最高設定額を、40万円から30万円に引き下げたほか、今年4月2日以降の契約については、契約から14日間は所定の感染症は保障の対象外とする「不担保期間」を一部商品に導入。

   ほかの生保各社も追随すると見られ、契約後すぐに保障開始することが特徴だった医療保険が、大きく様変わりすることになる、と指摘している。この不正請求問題はあまり知られていないが、コロナ禍の影の一つだろう。

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