「信頼残高」を積み上げる大切さを伝える
新入社員に基本ルールの重要性を理解させるうえでは、「信頼残高」を増やすというとらえかたを伝えることも有効でしょう。
対上司・先輩でも、対お客様でも、人から信頼を得るためには日頃からの誠実な行動の積み上げが大事です。いつもきちんと挨拶する、遅刻はしない、約束は必ず守る、敬語や言葉づかいに配慮する、場をわきまえた行動をする、誰にでも配慮する...など。ごく小さな行動ですが、常に怠らないことが大切です。
これを貯金に例えて「信頼残高」と考えます。特にお客様への信頼がものを言う仕事にあっては、日頃からの言動によって信頼残高を増やしていくことがとても重要です。
新入社員であればなおのこと、いきなり「大きな仕事で成果を上げる」ことを目指すのは難しい。したがって、日々の小さなルールや約束を地道に守り、積み上げていくことが信頼を築くことを伝えましょう。
※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著『部下全員が活躍する上司力 5つのステップ』(FeelWorks、2023年3月)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。
【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授
人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版)、『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)、『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所)等30冊以上。最新刊は『部下全員が活躍する上司力 5つのステップ』(FeelWorks、2023年3月)。