ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはBさんが、こんな悩みを抱えて、いらっしゃいました。
「社会人になってから万が一のために備えて、少しずつ貯蓄をしてきました。ただ、これから賃金の大幅な上昇も見込めないですし、物価も高騰するので大幅な貯蓄増も見込めません。かといって、節約しすぎるのはしんどいですし、今こそ投資を始めるタイミングなんですかね」
「支出の三分法」とは? ぜひ取り入れてみましょう
Bさんは堅実な方で貯蓄を増やしてこられた方だと思います。素晴らしいです! ただ、現在は、コツコツと貯金をしても、昔みたいに元本保証・高利回りで自動的にお金が増えることはありません。だからこそ、物価の高騰に対して対処法を知っておきましょう。
まずは「支出の三分法」について紹介します。支出の三分法とは「支出」を消費・浪費・投資に分けることです。
・消費:生活、生きるために必要な支出。家賃、光熱費、食費など
・浪費:生活に必要のない、無駄遣い。ギャンブルや借金の利息、過度な嗜好品など
・投資:将来につながる支出。預貯金や金融投資、自己投資など
Bさんは投資の中の貯蓄はしているので、将来につながる自己投資や金融投資にも目を向けてみてはいかがでしょう。
一時期より落ち着いていますが、為替市場は私たちの生活に大きな影響を与えます。為替のリスクを分散させるためにも、日本円以外の積立を同時に行なっておくと安心ですね。
物価高騰の中で無理して投資を増やそうとしても、ストレスに感じてしまえば、長続きしません。自分が必要だと思うことにお金を使い、生活の中の満足感を忘れないことも大事です。
目的に合わせた資産形成を
「なんのための投資なのか」と資産形成の目的は人それぞれだと思います。目的に合わせた、資産形成していきましょう。
・比較的短い期間の投資
車や家の購入など、近い将来に使う目的があれば引き出しが容易な投資先を選びましょう。会社員ですと、利子は低めですが、550万円までの貯蓄は利子が非課税になる財形貯蓄という制度があります。
・長期間の投資
将来に向けて準備するには、「確定拠出年金」「つみたてNISA」「株式投資」「投資信託」などさまざまな投資があります。短期でみると値動きするリスクがありますが、長期で見るとリスクを抑える効果があります。
確定拠出年金は、原則60歳まで引き出すことができません。つみたてNISAは短期運用もできますが、長期運用によってより複利効果が期待できるので長期運用がおすすめです。
長期間の投資の場合、早めに始めた方が長期間にわたって積み立てられるので、少額からスタートできることもメリットです。貯蓄とは違い、投資は「元本割れ」のリスクもありますが、早めに始めておくことで取り戻せる時間もあるともいえるでしょう。
2024年以降、新しいNISAが導入されます。これまでは「つみたてNISA」か「一般NISA」どちらかしか選択できませんでした。2024年からは2種類のNISAが併用できるようになる、投資金額の増加などの変更点があります。
Bさんもこの機会に「つみたてNISA」を知ってみるのもいいでしょう。私も今は「つみたてNISA」をやっていますが、2024年からは併用も考えています。一緒に勉強しませんか。(ひろ子ママ)