現在、新車として販売されている乗用車で一番燃費のいいものはどれか? 国土交通省は2023年3月31日、「2022年末時点の自動車の燃費ランキング」を発表した。
それによると、最も燃費のよい乗用車は、普通・小型自動車では「ヤリス」(トヨタ自動車)、軽自動車では「アルト」(スズキ)と「キャロル」(マツダ)となった。
国土交通省では、すべての自動車の燃費データも公表しているから、あなたも自分のクルマをチェックしてはいかが?
普通車トップ「ヤリス」は、人気車「ヴィッツ」の進化タイプ
国土交通省では、ユーザーの省エネルギーへの関心を高め、燃費性能の優れた自動車の開発・普及を促進するため、2004年から毎年、自動車の燃費性能を評価した「自動車燃費一覧」を公表。特に燃費のよい乗用車を上位10位までランキングして発表している。
ランキングでは長い間、日本独自の試験方法で測定した燃費の値が使われていたが、2017年から試験方法が国際的な基準と同じ「WLTCモード」に変更され、海外の乗用車と燃費の値が比較しやすくなった。また、より実燃費に近い数値になったとユーザーの間で評価されている。
今回、燃費トップ10にはランクインした車種は――。
「普通・小型自動車部門」に1位に輝いたのは、トヨタ「ヤリス」で、燃費は36.0km/L。「ヤリス」はもともと日本市場では「ヴィッツ」の名で親しまれて爆発的にヒットしたコンパクトカーだが、2020年にフルモデルチェンジしたのを機に世界市場共通の「ヤリス」に車名を変えた。
同時に、エンジンやハイブリッドシステムなどを刷新、部品の小型化を進めて超低燃費を実現した。2位以下にも「アクア」「プリウス」「カローラ」「シエンタ」がランクインするなど、トヨタはベスト10位中、8車種を独占する勢いだ【図表1】。
軽トップ「アルト」と「キャロル」は、マイルドハイブリッド採用
「軽自動車部門」で同率1位に輝いたのはスズキ「アルト」(27.7km/L)とマツダ「キャロル」(27.7km/L)。現行の「アルト」は、従来のR06A型エンジンとエネチャージの組み合わせに加え、R06D型エンジンとマイルドハイブリッドシステム搭載でさらなる低燃費を実現した。一方、「キャロル」も初のマイルドハイブリッドを採用し、燃費向上を図っている【図表2】。
なお、国土交通省では、2022年末時点で新車として販売されているすべての自動車の燃費性能等について、メーカー別・車種別に取りまとめ、公式Webサイト「自動車燃費一覧」に掲載している。
これには、すべての国産ガソリン乗用車だけでなく、輸入車、ディーゼル車、LPガス車、トラック、小型バス、路線バス、さらに農業用トラクターの燃費まで実験検査した結果が網羅されている。
ぜひ、あなたのクルマもチェックしてはいかが。(福田和郎)
(4月11日9時追記)報道発表資料での訂正にあわせて、修正しました。