仕事でもプライベートでも、「好かれる人」は多くの人と良い関係を築き、やること全てがうまくいくものです。そして、好かれるには、何も特別な能力を身につける必要も、人に無理に合わせる必要もありません。
今回取り上げる一冊は、著者のこれまでの見聞と実体験をもとに、好かれる人になるための日々のちょっとしたコツを紹介します。
「好かれる人」になる55のコツ(岡崎かつひろ著)すばる舎
陰口・悪口のデメリットとは?
マザー・テレサの「言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから」という有名な言葉があります。古来から、言葉には不思議な力が宿ると考えられていました。岡崎さんは次のように言います。
「言霊ともいいますが、これは脳科学的にも証明されています。『プライミング効果』といわれているものです。ニューヨーク大学の研究で、事前に『邪魔する』などの悪い言葉を聞いた学生と『感謝する』などのいい言葉を聞いた学生で行動の変化があるのかという実験がありました」(岡崎さん)
「相手の会話を遮る行動に出るかどうかを調べましたが、悪い言葉を聞いた学生のほとんどは5分と持たずに相手の会話を遮ったのに対し、いい言葉を聞いた学生の2%は話が終わるのを10分以上待つことができたといいます。このように、行動と言葉には密接な関係があります。いい言葉がその人を忍耐強くさせたのです」(同)
そのように考えれば、一番やってはいけないのは陰口・悪口ということになります。人の悪口を言っているとき、その言葉を一番聞いているのは自分だからです。岡崎さんは次のように指摘します。
「脳は人の悪口でさえも自分に向けられた言葉だと思ってしまいます。悪口を話しているとき、一番その影響を受けるのも自分なのです。またあなたが悪口を言ったり、悪口につき合ったりしているとき、あなたのまわりにいる人はあなたに対して、『悪口を言う人だ』というレッテルを貼ります。当然、いい印象は持たれません」(岡崎さん)
「陰口や悪口は『百害あって一利なし』。おススメしたいのは『陰褒め』です。陰で褒めるという意味で、陰口の逆効果が現れます。本人の前では恥ずかしくて言えないことも、いないところでいっぱい褒めましょう。するとまわりの印象もあなたは人のいいところを見る人だと思いますし、あなたの脳もいいところを見る癖がつくでしょう」(同)