日本冶金工業・久保田社長「これからが、これまでを決める」
日本冶金工業の久保田尚志社長は、15人の新入社員を前に、あるお坊さんの不思議な言葉を紹介した。
「先日、ある本を読んでいますと、面白い言葉を見つけました。浄土真宗の、とある高僧の言葉だそうですが、『これからが、これまでを決める』というものです。普通は『これまでが、これからを決める』と思うわけですが、この坊さんは逆のことを言っています。『これからが、これまでを決める』。何か心に響くものを感じないでしょうか」
「今日これからスタートする社会人生活を、皆さんなりに日々前向きに過ごしていく中で、かつてのコロナに大きな制約を受けた学生時代が、また別の意味や意義を持って振り返れる日が来るかもしれません。私たち日本冶金工業でのこれからの日々が、皆さんのこれまでの人生に、また違う意味や意義を与える、そうした社会人生活になれるよう、心から願っています」
「まずは、縁あって集まった、この15人の同期生です。お互いによく知り合い、理解しあい、配属後も絆を大切にしていただきたい。生活のリズム、パターンもこれまでと変わります。健康に気を付けて、社会人1年生を楽しんでください」
健康といえば、どちらかというと精神的訓話が多いなかで、「体の大切さ」を強調したのが、コニカミノルタの大幸利充社長だった。
「当社役員はこの1年、レジリエンス(逆境力養成)研修を受けてきました。さまざまな困難を乗り越え回復するためには、運動、栄養、睡眠が大切です。この3つをベースに、良いビジネスパーソンであるには、他人の失敗を沢山聞いて自分であればどうしたか、常に一人称で考える積み重ねが大切だと思います」
そして、こんなアドバイスを贈った。
「どんな困難な状況でも、1つくらいは良いところもあるので、そこに気づく前向きさの積み重ねも大切です。この研修を始めて1年ですが、私はこれからまだまだ進化できると自分を信じています。若い皆さんは、今日からそんな積み重ねによって、これからもっと輝ける潜在力を引き出せるに違いありません」