製造に必要な装置など23品目、経産相の許可制に 量産化には必須の装置も
経産省の発表によると、先端半導体分野の製造に必要な露光装置や検査装置など23品目について、輸出時に経産相の許可を必要とする。軍事転用を防ぐ狙いがあり、7月にも実施に移す計画だ。
西村康稔経産相は「特定の国を念頭にしたものではない」と強調するが、規制の狙いが中国包囲網の強化であることは明らかだ。
半導体製造装置は米アプライド・マテリアルズ、オランダASML、そして日本の東京エレクトロンの上位3社が激しくシェアを争っている。
とくに、洗浄などを含め微細な工程がいくつもある先端半導体分野は「この3社の製造装置がなければ、量産化はかなり難しくなる」(日本メーカー関係者)ほどだ。
この状況に目をつけたのが、米バイデン政権だ。
米国は2022年10月、先端半導体の製造装置や技術に関する対中輸出を事実上、禁じた。さらにオランダと日本に対し、同調を強く迫り続けた。
オランダは2023年3月8日に規制案を公表。日本も今回、輸出規制を表明したことで、半導体製造装置で大きな存在感を示す3か国の足並みがそろったかたちだ。
先端半導体はスーパーコンピューターや人工知能(AI)など次世代技術を支える最重要部品だ。最新の兵器の開発にも先端半導体は欠かせず、経済安全保障の観点からも、先端半導体術開発・確保をめぐる国際的な競争は激化している。
中国は2015年に発表したハイテク産業育成策「中国製造2025」で、半導体を重点分野の筆頭に掲げるなど、半導体産業の育成に力を入れてきたのも当然だ。