副業は本業に「いい影響」を与えるのか? 管理職66.5%がポジティブな評価! では、スキルアップになるのはどんな職種?

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   2018年に政府による副業・兼業のガイドラインができてから、副業解禁のムードが高まった。副業を認める企業では、他社の企画業務に参画したり、販売サービスを利用した物販を始めたり、あるいは農業や漁業という一次産業の手伝いをしたりしている人もいるという。

   また、副業のマッチングサイトでは、「履歴書に書ける副業」をうたうところもあるなど、本業を生かした知識や経験によるさらなるスキルアップもまた、副業の魅力にちがいない。

   そんななか、パーソルキャリア(東京都千代田区)が運営するプロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」が2023年3月31日に発表した「企業の副業人材の実態と副業実施者の本業への影響」によると、副業を解禁した企業では副業を経験した社員のスキルなどが本業に生きているという実態が明らかになった。

   それでは、社員のスキルが伸びるような副業にはどんなものがあるのか?

  • 副業を経験した社員が活躍している(写真はイメージです)
    副業を経験した社員が活躍している(写真はイメージです)
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「副業解禁」企業で副業している社員は4人に1人 副業への上司の評価はポジティブ

   この調査は、全国の20代から60代男女のうち副業を解禁している企業の管理職1709人と、自身が副業を行っているビジネスパーソン200人を対象に、3月11日から3月13日までインターネットリサーチで調査したもの。

【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】
【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】

   まずはじめに、副業を解禁している企業の管理職1709人を対象に、「配下メンバーで副業を行っている人がいるか」を聞いたところ、「いる」と回答した人は「26.1%」におよび、およそ4人に1人が、副業しているメンバーを抱えているようだ。

【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】
【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】

   また、副業を行っているメンバーを抱える管理職200人に、「メンバーの副業が本業に与えている影響」を聞いたところ、「とてもいい影響を与えている」(20.5%)と「いい影響を与えている」(46.0%)を合わせた「66.5%」がポジティブに回答している。大半の管理職は、配下の社員の副業が本業へ良い効果をもたらすと感じているらしい。

スキルが向上するのは「中期経営計画の資料作成代行」「市場調査・リサーチ」「自分の知見によるコンサルティング」

【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】
【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】

   続いて、副業をしているメンバーを抱える管理職133人に本業に良い影響を与えているメンバーの副業内容について尋ねると、「経営企画(24.8%)」、「マーケティング/PR(21.8%)」、「商品/サービス企画(21.1%)」、「新規事業開発/事業企画(18.8%)」、「営業/販路拡大(18.8%)」が上位に挙がる結果となった。

   ところで、経営企画にかかわる副業やマーケティングに関する副業、商品企画の副業とは具体的にどういうものなのだろうか?

   これについて、J-CAST 会社ウォッチ編集部が、パーソルキャリアに話を聞くと、

「弊社の紹介する案件や一般的な案件を含めてお答えすると、『経営企画』には企業の経営計画の作成支援、予算計画の作成支援、M&Aへのアドバイス、中期経営計画の作成代行などがあります。
また、『マーケティング/PR』でいうと、ゲームアプリのマーケティング戦略の策定・実施、広告の運用代行などです。『商品/サービス企画』では、動画コンテンツの市調査数を伸ばすアイデアのアドバイスやモビリティサービスの市場調査・リサーチなど多岐にわたります」

   と説明した。

【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】
【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】

   つぎに、同じく管理職に、「本業への良い影響の具体例」を聞いたところ、「スキルが上がった(58.6%)」、「生産性が上がった(49.6%)」、「モチベーションが上がった(48.9%)」、「新しい視点が生まれた・視野が広がった(45.1%)」、「人脈が増えビジネスが拡大した(26.3%)」が並び、副業することによって新しい視点を手に入れたり、スキルアップにつながったりする事例があるようだ。

【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】
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   さらに、「良い影響を感じるようになったのは、メンバーが副業を始めてからどれくらいのタイミングか」を聞いたところ、「始めてすぐ」(15.8%)、「1カ月」(4.5%)、「3カ月」(21.8%)。これらを合わせて「42.1%」が、3カ月以内の早期というから驚きだ。「半年後」は「28.6%」、「1年後」が「22.5%」となった。早期から本業に良い影響を与え始めているようだ。

【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】
【パーソルキャリア プロフェッショナル人材の活用総合サービス「HiPro」調べ】

   一方、副業を行っているビジネスパーソン200人にも「副業を行ったことによる本業への影響」を聞いたところ、「とても良い影響を与えている(21.0%)」と「いい影響を与えている(42.5%)」を合わせた「63.5%」がポジティブな評価となった。

   この結果を受けて同社では、

2021年に実施した「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、企業が副業解禁を踏みとどまる理由の上位に、「自社の業務に専念してもらいたいから」(49.7%)「疲労による業務効率の低下が懸念されるから」(42.1%)といった副業がもたらす本業への影響を懸念する声が挙げられています。
しかし、本調査によって、副業が本業へプラスの効果を生み出していることが明らかになり、これは、社員や配下メンバーの副業実践に対し不安に感じている企業や管理者にとって副業推進を後押しする要因になり得るのではないでしょうか

   とコメントしている。

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