ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはAさんが、こんな悩みを抱えて、いらっしゃいました。
「職場にさまざまな年齢層の人が増え、その分、価値観の違いも感じています。『共感できること・できないこと』がありますが、『どれが正しい・正しくない』ではないと思っています。4月が始まったばかり。Z世代の流行りなども取り入れて、自分自身の『働き方』をアップデートさせていきたいです」
自分の価値観もアップデートさせていく
Z世代のコスパ・タイパを重視する行動に着目した記事を見かけることがありますよね。記事を読みながら、私自身も「Z世代じゃないけれど、Z世代と同じような行動をしている」と感じることもあります。たとえば、動画を倍速で見るなど「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識した行動です。
「動画の倍速視聴」は、Z世代に限らずあらゆる世代で広がっているそうです。私たち現代人は「やること」「情報量」が多すぎて、「時間を無駄にできない」という意識が働いているからなんですね。そのほか、倍速視聴が増えている理由として、
・映画の作品数が多い(ネットで多くの作品を見られる状態)
・セリフですべてを説明する作品が増えた
・そもそもタイパを意識する人が増えた
といったものがあります。
上記の理由をみると「映画を倍速で見ることも仕方ない行動なのでは......」とも納得もできますよね。映画も「鑑賞する映画」から「消費する映画」へと一つのコンテンツとして捉えるように変化しているんだそうです。
このように、「どうしてタイパが重視される時代になったのか」「時代にどのような変化があったのか」などと考えることで、Z世代の価値観についても共感できることにもつながりそうですね。そして、時代の流れや背景を見ながら、自分の価値観をアップデートさせる必要もありますね。
タイパのいいとこ取りで「時間を大切にする」
忙しすぎる毎日ですが、やはり時間は大切です。同じ24時間でもタイパを意識することで、時間を有効に使うことができます。そこで、タイパのいいとこ取りをしてみましょう。日常に取り入れやすい方法を紹介します。
・前日に翌日のTo Doを整理する
その日になってから「今日は何をしようかな」と考えてからスタートすると、それだけで時間を無駄にしてしまいます。1日の業務の最後に翌日のタスクなどを洗い出しておくだけで、1日のスタートがスムーズになるでしょう。
・タスクに集中できる時間を作る
メールやメッセージは、ひっきしなく来るので即返信していたらキリがありません。カレンダーの時間をブロックしてその日のタスクに集中できる時間を確保しましょう。
時間をゆっくり楽しんで感性を育てる
働き方をアップデートさせるには、感性を育てることがおすすめです。タイパとは逆の発想で、あえて「時間をゆっくり楽しむこと」で感性を育ててみましょう。
たとえば、映画のセリフのない余韻の時間、流れる音楽を感じる時間、「面白い・つまらない」と思う時間、これらを感じることで感性が育っていくのです。感性を育てるために、あえてゆっくり過ごす時間を取り入れるのもおすすめです。
私の場合は、自宅で映画を見るとついつい「ながら見」をしてしまうので、やはり映画館でみた方が感情移入できますね。まわりの景色を見ながらいつもとは違った道をゆっくり歩いてみるなど、日常生活からも感性を育てることはできます。
感性を鍛えることのメリットとは?
感性を鍛えることのメリットを紹介します。
・想像力が高まる
新しいアイデアが思い浮かぶだけでなく、人の気持ちも想像しやすくなります。「こんな言い方されたらどんな気持ちになるかな」「あの人なら次はこうするだろう」などと考えることで人間関係も良好になりやすいです。
・常識から抜け出せる
固定概念がなくなり、常識に縛られず柔軟な発想ができるようになります。
・小さなことにも感動しやすくなる
一つのことからたくさんのことを感じ取ることができます。そのため、日常に起こるささいなことに対しても感動しやすく、幸福度が高まります。
タイパを意識しつつも時間をゆっくり楽しむことで、感性が鍛えられます。いいとこ取りで、感性という個人のオリジナリティも育ち一石二鳥です。ぜひAさんも「いいとこ取り」で働き方をアップデートさせてみてください!(ひろ子ママ)