米格付け会社、楽天の長期発行体格付け1段引き下げ 今後の見通しも「ネガティブ」
状況の厳しさはもちろん、楽天Gもわかっている。
23年2月14日の決算発表の場で、三木谷浩史会長兼社長は、「(財務状況を改善するため)楽天銀行や楽天証券の株式上場準備を進めていく」と述べるとともに、他社からの出資受け入れなども含めて「戦略的業務提携や外部資本の活用も柔軟に検討したい」と語った。
J-CAST 会社ウォッチが「加速するメガバンク×ネット証券大手の連携...ただし、主導権はネット大手側にある裏事情」(2022年10月25日付)でも報じたように、みずほファイナンシャルグループ(FG)から楽天証券ホールディングス(HD)に約2割出資を受けたが、これも楽天Gが保有株を売却して775億円を得たという財務改善の一環。これに続く楽天銀行の上場は、当初の22年中の目標が遅れた。
この間、米格付け会社のS&Pグローバルは22年12月に楽天の長期発行体格付けを「BB(ダブルB)プラス」から「BB」に1段引き下げ、今後の見通しも「ネガティブ」とした。
「BBプラス」以下は投機的水準にあたるから、楽天Gには厳しい評価だ。
実際、23年1月に内外で起債したが、ドル建て無担保優先債4.5億ドル(約590億円)の最終利回り負担は12%にもなる。国内の個人向け普通社債2500億円も利率は3.3%と高い。