【2024年卒就活生】早くも内定率4割、進路確定率2割以上! 企業の採用スケジュール早すぎて学生に混乱も...落ち着いて頑張ろう!

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   2024年卒大学生・大学院生の就職活動が本格化している。「ウィズコロナ」に入って経済活動が完全に再開したことを受け、企業側が若い人材確保に懸命だからだ。

   そんななか、リクルートの就職・採用関連の研究機関「就職みらい研究所」が2023年3月29日、2024年卒大学生・大学院生を対象にした就活状況を調べた「就職プロセス調査(2024年卒)『2023年3月18日時点 内定状況』」を発表した。

   3月18日時点で早くも内定率は約4割に達し、かつてないハイペースで進み、学生に戸惑いがみえるほどだという。

内定者、昨年より10%増の超速ペース...特に、理系が強烈

   調査によると、就職内定率(大学院生を除く)は38.9%で、同じ時点の昨年(2023年卒対象)の29.0%に比べ、9.9ポイントも上回る早いペースだ【図表1】。

(図表1)内定率(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表1)内定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

   内定率を文理別で見ると、「文系」が35.4%(前年比プラス8.8ポイント)、「理系」が47.3%(同プラス12.5ポイント)。特に「理系」は3月1日時点から12.0ポイントも増加した。男女別では、男性(39.9%、同プラス10.8ポイント)のほうが女性(37.7%、同プラス7.8ポイント)よりもやや高いことが目につく。

   内定取得先の業種をみると、情報・通信業が30.8%と、ダントツに高いことが特徴だ。ITスキルを持つ人材は、世界的に奪い合いが激しく、優秀な学生は早くから海外から誘いの手が伸びるため、IT系企業の選考が早く進むようだ。

   次いで、ウィズコロナで企業活動が活発化したサービス業(17.2%)、製造業(機械器具、13.0%)、小売業(11.1%)などが上位に並んだ。また、客が戻ってきた「飲食店・宿泊業」(8.2%)が昨年の約2.5倍のペースであることが目立つ【図表2】。

(図表2)内定取得先企業の業種(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表2)内定取得先企業の業種(リクルート就職みらい研究所の作成)

   上位では、製造業以外は昨年に比べて割合は減少し、その分、ほかの業種の割合が増えていることから、より幅広い業種から内定を得ている様子がうかがえる。

   内定を取得した企業数をみると、平均1.80社で、前年の1.71社より増えている。内定取得者のうち2社以上内定を取得した学生の割合は45.5%で、昨年の40.2%よりかなり高い【図表3】。

(図表3)内定取得先企業(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表3)内定取得先企業(リクルート就職みらい研究所の作成)

早すぎて見えづらい企業の採用、学生に動揺も

   さらに、早いスタートダッシュを反映して、進路確定率も2割以上の21.0%(同プラス2.9%)と高い水準に達している【図表4】。

(図表4)進路確定率(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表4)進路確定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

   その一方で、昨年以上に内定辞退企業数が多いことも今年の特徴だ。早くも2社以上を辞退した人が9.9%いるのだ。内定辞退率は3月1日時点から11.1ポイント増加し、32.2%(プラス8.3ポイント)と前年に比べ高い。

   こうした結果から、特定の業種、特定の学生に内定が集中することなく、幅広く分け合う傾向が見られることが、昨年に続き今年の特徴のようだ。

   就職活動の実施率をみると、85.4%で昨年同時点(86.4%)よりやや低い。具体的な活動内容を聞くと(複数回答可)、「就職に関する情報を収集した」(88.5%)、「エントリーシートなどの書類を提出した」(82.6%)、「適性検査や筆記試験を受けた」(80.2%)、「インターンシップに参加した」(74.1%)などが上位に並んだ【図表5】。

(図表5)3月18日までの各活動実施状況(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表5)3月18日までの各活動実施状況(リクルート就職みらい研究所の作成)

   ほぼ全員が情報集めを開始しており、具体的に適性検査や筆記試験などの選考試験を受ける段階まで進んだ学生が多いことがうかがえる。

   就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏はこうコメントしている。

「3月18日までの活動実施状況のうち、前年同月より10ポイント以上高い項目は、『Web上での面接を受けた』が68.2%、『面接など対面での選考を受けた』が53.9%で、前年より多くの学生が既に選考を受けていることが分かります。
政府による『就職・採用活動に関する要請』において、2024年卒の採用選考活動開始は卒業・修了年度の6月1日以降とされていますが、6月1日時点の内定率はコロナ禍による一時的な低下を除き年々上昇傾向です。
2024年卒は3月中旬時点ですでに4割弱である状況は、企業の採用意欲の高さの表れだと捉えれば学生にとって望ましいことにも思えますが、企業の採用スケジュールが見えづらくなると学生の混乱を招く可能性もあります。
学生が学修時間等を確保しながら混乱せず就職活動に取り組むことができているのか、改めて考える時期に来ているのではないかと感じます」

   年々早まる「就活戦線」のあり方に警鐘を鳴らした。

   調査は、2023年3月18日~23日、2024年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生3219人(大学生2476人・大学院生743人)にアンケートした。(福田和郎)

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