「東芝」経営再建、「上場廃止」選択でひとまず着地 国内投資ファンドJIPの「2兆円」TOBで、東芝の衰えた「稼ぐ力」を立て直せるか?

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TOBが失敗したら?...JIPに代わる国内連合の再構成は容易でない

   もちろん、このTOB価格でも、長期的に保有している株主は売却益が出る。一方、短期保有で22年の株価が高いときに取得した株主は損失を被る。

   焦点の物言う株主のファンドは、2017年の増資時点のコストが現在の株価に換算して2600円程度で、十分利益が出る計算。米通信社ブルームバーグは、東芝株の9.9%保有する筆頭株主エフィッシモ・キャピタル・マネジメントは1000億円近くの利益を確保する可能性があると報じている。

   さらに、東芝は国が経済安全保障上重要と位置付ける「コア事業」に該当する原子力事業などを抱え、外国為替及び外国貿易法(外為法)で買収には国の重点審査が必要とされることも、買収先選定の大きな要素だ。

   資金力がある海外ファンドにとっても、外為法の壁は厚い。「国内連合」であるJIP陣営のTOBが仮に失敗した場合、これに代わる国内連合の再構成は容易でなく、経営の混迷が続く中で一段と企業価値が低下する懸念が強い。

   こう考えると、買収価格に不満はあっても、TOB不成立のリスクの方が大きいと判断する株主が多いと見る向きが多い。

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