小さな字で分かりにくい契約表示の罠
こうした事例の問題点は、販売サイトで「いつでも解約可能」「初回、低価格でのお試しOK」などの表示につられて、実は「定期購入」が条件である契約内容と知らずに申し込んでしまった点にある。
特定商取引法では、販売業者は、取引の基本的な事項を最終確認画面などで明確に表示することが義務付けられている。しかし、表示されても、消費者に誤解を与える表現だったり、小さな字で分かりにくかったりする表示が少なくない。
そこで、国民生活センターでは、注文する際のチェックリストを紹介、契約条件の細部をしっかり確認するよう呼びかけている【図表2】。
主な注意点は次の通りだ。
(1)最終確認画面は、スクロールして最後までしっかり確認する。
(2)定期購入が条件になっていないか?
(3)(定期購入が条件の場合)継続期間や購入回数が決められていないか? 支払う総額はいくらか?□解約の際の連絡手段を確認したか?
(4)解約・返品できるか? 解約・返品できる場合の条件(返品特約)はあるか? 解約条件を確認したか?
(5)商品が届く予定日や、利用規約の内容を確認したか?
そして、上記の契約条件が記載されている画面をスクリーンショットで保存しよう。
また、「いつでも解約できる」と表示されていても、実際に解約しようとすると、電話がつながらなかったり、オンライン上の解約手続きがうまく進められなかったりと、簡単に解約ができない悪質な販売業者が存在するため、まず販売業者の情報や評判を入念に調べることが大切だ。(福田和郎)