47都道府県別に見る「住宅事情」...持ち家の広さの違いはどれくらい?【俯瞰して見る日本(6)】(鷲尾香一)

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民間賃貸住宅1か月1坪当たりの家賃...東京都8795円、最安の青森県と比べて3倍近い差

   そこで、2021年度の民間賃貸住宅の1か月1坪当たりの家賃を見ると、東京都が突出して高く、8795円となっており、2位の神奈川県よりも2000円以上も高い。最も安い青森県の3122円と比べると、東京都は3倍近い家賃となっている。

   家賃の上位10を見ると、やはり一戸建て比率の下位10に入っている東京都、大阪府、神奈川県、兵庫県、千葉県、埼玉県の1都1府4県が入っており、地価の影響を大きく受けていることがわかる。(表3)

   ただ、家賃の下位10では一戸建て比率の上位10のうち、青森県と群馬県しか入っておらず、家賃の上位10に入る都府県を除けば、それ以外では家賃水準には大きな差は見られない。

   さて、住まいで近年大きな問題となっているのが、空き家だ。そこで、最後に、2018年度の総住宅数当たりの空き家比率を取り上げる。

   空き家比率の1位は山梨県の21.3%、次いで和歌山県の20.3%となっている。上位10に入っている県では、おおよそ10軒に2軒が空き家となっている状態だ。

   最も空き家比率が低いのは埼玉県の10.2%で、確かに一戸建て比率が下位10のうち、空き家比率が下位10に入っているのは、東京都、沖縄県、神奈川県、福岡県、愛知県、千葉県、埼玉県と7都県もあり、人口の多い、地価の高い都県では空き家比率が低いといえそうだ。

   ところが、空き家比率の全国平均は13.6%で、平均を下回っているのが14都府県しかないことを考えれば、多くの道府県で空き家の発生が問題となっていることに変わりはない。(表4)

   さて、シリーズで連載してきた「俯瞰して見る日本」も、次の第7回で取り上げる医療関連が最後となる。【第7回につづく】

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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