男性の育休増える! 同僚の取得に「賛成」は75.7%
調査では、勤務間インターバル制度に関する捉え方についても聞いた。
「勤務間インターバル制度を導入している」と答えた人は30.6%。そのうち、制度の導入時に必要な仕組みとして、「チーム内での仕事の配分の見直し」(48.5%)や「勤務開始・終了時刻を効率的に把握する仕組みの導入」(42.4%)、「働き時間は有限であるとの考え方に基づいた仕事の効率化」(31.8%)、「勤務間インターバル導入を組織のメッセージとして対外的に公表しお客様などに理解いただくこと」(29.8%)が上位を占めた。
「チーム内での仕事の配分の見直し」が効果的と答えた人(48.5%%)に対して、「管理職の時間管理スキルの向上」が効果的だと答えた人は22.2%にとどまった。
「チーム内での仕事配分の見直し」や「勤務開始・終了時間を効率的に把握する仕組みの導入」が求められること、勤務間インターバルに関する相談窓口の設置などが急がれることと同時に、管理職の時間管理スキルのさらなる向上によって、勤務間インターバルの効果や仕事の効率化が高まることが予想される結果となった。
また、勤務間インターバル制度導入の障壁として考えられることに、30.3%が「管理職の長時間労働化」と答えた。
次いで、「全員分の勤務管理の手間」が28.7%、「すでに人手不足で悩んでいるため」が26.9%、「勤務間インターバルに対応するための社内ノウハウがない」の23%が上位を占めた。一方、「売上利益に影響が出そう」と答えた人は7.3%と、最下位だった。
育児休業制度について、「自社で男性の育児休業取得者がいる」と答えた人は48.7%で、前年(2021年)円と比べて6.7ポイント増えた。
「男性の同僚が育児休業を取得することに賛成する」人は75.7%で、同4.4ポイント増。「自分もしくはパートナーの男性の育児休業取得への希望」も72.8%で、じつに10.7ポイント増え、いずれも前年度を上回った。
また、男性の育児休業者が「不在」の企業に、その要因を聞くと、「経営層からのメッセージ発信の強化」との回答が51.4%と、最多。「職場全体の残業削減が進んでいない」が43.9%、「収入に対する補填がない」の40.2%が続いた。
男性の育児休業の取得を希望する人が72.8%と、取得希望者が半数以上にのぼるにもかかわらず、それが実現できない背景には、「経営層からの発信がない」ことや残業に頼った働き方からの脱却があげられることから、経営層の意識改革が急がれる。【図5参照】
また、男性の育児休業者がいる企業に、より満足度高く育児休業を取得するために「まだ取り組みが進んでいないもの」を聞くと、65.7が「転勤制度の廃止」が必要であると答えたことがわかった。より踏み込んだ働き方改革が必要であることがうかがえる。【図6参照】
今年は企業に育児休業制度の通知・取得促進が義務付けられたことで、男性の育休への関心が高まった。また、2023年4月1日からは労働者が1000人を超える企業では、育児休業の取得状況の公表が義務付けられる。こうしたことから、さらに男性の育休推進の動きは強まるとみられる。