10万人当たり小中学校&高校の数...最多は高知県、最小は神奈川県
幼児教育では、保育園主流と幼稚園主流に分かれていたが、かたや小中学校、高等学校では、児童・生徒数の影響が鮮明に表れている。
2021年度の6~11歳人口10万人当たりの小学校数でトップは高知県の721校。全国平均が311校なので、2倍以上の学校数となっている。最も少ないのは神奈川県の197校で高知県の3分の1以下だ。(表3)
これは、中学校、高等学校でも変わらない。2021年度の12~14歳人口10万人当たりの中学校数のトップは高知県の755校。全国平均は312校なので、やはり2倍以上の学校数。最も少ないのは神奈川県の203校で、高知県の3分の1以下。
2021年度の15~17歳人口10万人当たりの高等学校数でトップは高知県の255校。全国平均は146校で、高知県は100校以上多い学校数。最も少ないのは神奈川県の98校で高知県の3分の1に近い。
小中学校、高等学校の上位10と下位10を見ると、そのメンバーはほとんど変化がない。
つまり、児童・生徒数の少ない県が上位10に入り、多い都府県が下位10に入っている。これは1校当たりの生徒数が上位では少なく、下位では多いという状況を示している。学校数は少ない生徒数でも学校を維持している状況の表れでもあるのだ。
それは、児童・生徒1に当たりの教育費に明確に表れている。小中学校、高等学校とも同じ傾向だが、2019年度の小学校児童一人当たりの教育費を取り上げると、最も高いのは高知県の151万2245円で、最も低いのは埼玉県の75万4925円。神奈川県が2番目に低く、81万9006円となっている。(表4)
この上位10、下位10のメンバーは、小学校数の上位10、下位10とほとんど同じだ。そして、教育費の上位10、下位10のメンバーは小学校、中学校、高等学校ともほとんど変わらず、また、学校数の上位10、下位10ともほとんど変わらない。
つまり、学校当たりの生徒数が少ない県は、それだけ教育にコストがかかっているということだ。これは教育のレベルや熱心さとは関係なく、あくまでもコストパフォーマンスの問題だ。