新入社員研修もオンライン化、6割が実施
一方、新入社員研修の形式には、変化がみられるのか。
調査で聞いたところ、「対面形式」による実施が76.4%(「対面のみ」と「ハイブリッド」の合算)で、コロナ禍の行動制限の緩和に伴い、対面での研修が戻りつつあるとみられる。
もっとも、「オンライン形式」も59.9%が実施しており、「オンラインを取り入れることで時間や場所にとらわれず参加でき、研修の質を保つことが可能になる」などのメリットはやはり大きい。
「対面とオンラインの両方を実施する」と答えた企業も45%と約半数。そのうちの75.4%が、その有効性を感じていると答えた。同社は、「対面形式が戻る一方で、引き続きオンラインの利点も活かした『ハイブリッド』での研修の実施が多くなることが予想される」としている。
※研修形式の定義
・オンライン形式...eラーニング/動画学習、オンライン形式のグループワーク、オンライン形式の講義
・対面形式...対面形式のグループワーク、対面形式の講義、対面形式での合宿
では、対面とオンラインと対面の「ハイブリッド形式」の利点はどんなものがあるのだろうか。回答者からは、
「オンラインのみだと緊張感に欠け、オフラインのみだと疲れてしまう。場合によって分けるのが良いと感じた」(薬品・化粧品・化学関連業)
「オンラインで最初に研修を受けてもらってからで対面研修に参加してもらうと、新入社員もある程度知識を持って参加できるので、教える側としてもやりやすく安心できる。新入社員からの質問のレベルも高くなる。新入社員はこれから働くことへの不安が大きいため、対面で会話するほうが安心できると思う」(広告代理業・調査業・マーケティング業)
といった声が寄せられた。
ベネッセコーポレーションUdemy法人営業担当課長の中谷健太氏は、
「新入社員には社会人としての基礎スキル(プレゼンやExcelなど)へのニーズが高いことがわかります。この傾向は、ここ数年でのリモートワークの増加やOJTとのコミュニケーションが減ったことも影響していると思われます。 また事業のDX化が加速するなか、新入社員にもDXや経営戦略として基礎的なリテラシーを学ばせる傾向もあり、企業側が新入社員のいち早い戦力化を望んでいることもうかがえます」
とコメントしている。
なお、調査は2023年度の新入社員研修に関わる人材育成の担当者を対象に、新入社員研修におけるトレンドや研修での課題・意識、実施状況などを明らかにする目的で聞いた。2023年2月17日~20日にインターネットで実施。有効回答者数は643人。
同社では、法人向けにオンライン学習サービス「Udemy Business」を国内で展開。内定者や新入社員向け研修として導入企業に活用してもらっている。