労働環境の変化で、「ジョブ型雇用」推進の流れ
また、調査では、新入社員研修に「早期の戦力化」を求める傾向があることもわかった。
新入社員研修で「得てほしいこと」を聞いたところ、「業務に必要なスキルや知識を早期に習得すること」が47.3%で最も多かった。次いで、「自社の社員としてふさわしいマナーを身につけること」が46.0%だった。【図2参照】
これまで日本では、新卒一括採用や終身雇用、年功序列など、長期雇用を前提とした人材育成に注力してきた。
しかし、労働力人口の減少や急速なデジタル化などを背景に、労働環境が大きく変化し、生産性を重視した「ジョブ型雇用」の採用を日本でも推進する流れが生まれている。この流れは新入社員研修にも求められており、同社は「多くの企業で新入社員の即戦力化が叫ばれている」と指摘する。
新入社員研修の内容(スキル)の中で、「最も強化させたいもの」との問いには、70.6%がビジネススキルをテーマとした内容を実施していることがわかった。具体的には、「セルフマネジメント」、「タスク・時間管理」、「プレゼンテーション」などだ。
その一方で、「情報セキュリティ」や「DX(デジタルフォーメーション)の基礎」といったIT関連のテーマも51.8%が実施。ビジネスにITが欠かせない現代で、「IT」も新入社員として習得すべきテーマであるという意識が高まっていることが、背景と考えられるという。【図3参照】
また、早期の戦力化やDX人材の育成の流れを受けて、「Officeスキル」やDX関連の研修が実施されているとみられる。新入社員にも、DX分野での即戦力化を希望する傾向があるようだ。