専業主婦優遇の制度は、時代にそぐわないが...本気の「第3号」見直しには、抵抗も
専業主婦優遇の制度は、共働きが当たり前の時代にそぐわないという議論は厚生労働省の審議会などでも話し合われてきた。
パートなどの厚生年金への加入が義務になる企業規模は、従業員数101人以上から、2024年10月から51人以上に拡大され、130万円の壁の範囲は狭まるが、なくなるわけではない。
第3号被保険者は21年度で763万人。既得権となっているだけに、手を付けるのは並大抵のことではない。家庭を重視し、専業主婦を是とする自民党の保守派などに強い「伝統的家族観」ともぶつかりかねず、岸田首相が本気で取り組むか、疑問視する向きは永田町や霞が関にも多い。
岸田政権は3月末をめどに少子化対策の政策パッケージで示し、6月までに必要財源なども提示する方針だ。「異次元」の少子化対策にと意気込む首相だが、付け焼刃の対応に終わるなら将来に禍根を残すことになる。(ジャーナリスト 白井俊郎)