社会保険料にかかわる「106万円」の壁...負担は増えるが、長い目で見るとプラス面も
次が、社会保険料にかかわる「106万円」「130万円」壁。
これらは、税金の壁よりも影響は大きい。会社員や公務員などの夫に扶養される妻が、保険料を納付しない「第3号被保険者」から、保険料を払うように変わるのが典型例だ。
106万円の壁は、勤務先の従業員数が101人以上の会社で、週20時間以上の短時間労働で、月額賃金が8万8000円(年収換算約106万円)以上などの条件に該当すると、▽厚生年金に入ること、▽夫の会社の健保組合も離れ、妻が自ら厚生年金保険料と健康保険料を納付することになり、約15万円の負担が発生する。
ただし、将来の年金の額が増えるので、長い目でみるとマイナスとは限らない。
たとえば、105万円から110万円に収入が増えたとすると、足元の月収の手取りは減るが、厚生年金の受け取りを考えると、80歳代前半で「元が取れる」。つまり、生涯収入はプラスになる。
健保組合に入るプラス面もある。具体的には、病気で働けない際の「傷病手当金」(給与の3分の2)や「出産手当金」など、従来の夫の扶養家族としてでは夫の会社の健保組合から受けられなかった給付も、新たに自分が加入した健保組合からの支給対象になる。