通勤中と出勤前に勉強するZ世代、しかし時間はY世代のほうが多い
さて実際に、意欲的なZ世代は、いつ、どこで、どのくらいの時間取り組んでいるのか。就業時間内か、就業時間以外か、を詳しく聞いたのが【図表3】だ。就業時間以外は、通勤中・出勤前・帰宅後・休日と、細かく分けて聞いている。
これを見ると、Z世代はそれぞれの時間帯でスキルアップに取り組んでいる人の割合が、ほかの世代より高い。
特に「通勤中」(46.7%)と「出勤前」(35.5%)というタイミングが、ほかの世代より突出して高い。ともに中堅以上の世代にはしんどい時間帯だが、若くて元気があるからだろうか【再び図表3】。
ただし、どの時間帯を見ても、取り組む時間そのものはY世代(28歳~41歳)が一番長い。家庭人としては子どもが成長、教育費にお金がかかる頃、会社内では中間管理職になり、公私ともに責任が重くなる世代だ。スキルアップに対する熱意も真剣さが増すだろう。
スキルアップにじっくり取り組むには「帰宅後」と「休日」の過ごし方がカギになる。そこで、「帰宅後」と「休日」の取り組む時間を聞いたのが【図表4】だ。休日や帰宅後にスキルアップに取り組む人は、各世代ともに5割を超える。どの世代も「30分未満」という人が最多だ。
女性と比べ、男性のほうが「帰宅後」にスキルアップに取り組む時間を作る人が多い。このあたりは、現状として、女性のほうが家事育児などで平日に取り組む時間を作りづらいことも背景にあるのかもしれない。
もっとも、「休日」になると、Y世代の男女とも1時間以上が増加して、それぞれの年代のトップになる。男性で半数以上の53.8%、女性でも4割以上の44.1%が熱心に取り組んでいる。
一方、Z世代では1時間以上取り組み割合は、男女ともX世代(42歳~56歳)とほとんど差がないありさまだ。若いのにどうしたことか。ただ、女性Z世代に関しては「30分未満」が35.5%、一方、「2時間以上」が14.6%と、人によってかける時間の差が大きいことが目立つ【再び図表4】。
つづいて、各世代に「スキルアップに取り組みたいけど取り組めていない理由」を聞くと、ほかの世代に比べてZ世代に特に多いのは、「具体的な目標がない」「環境が整っていない」「実際に行動に移すほどモチベーションが高まらない」といった項目だった。
これは、上司や先輩など企業側の指導や対策でスキルアップに一歩踏み出せそうな人も一定数いるということだ。