現場での女性の少なさには「少し不安を感じる」 行政は「会社を超えて、女性が相談できるネットワーク構築」進む
続いて、現場で働く女性に「女性活躍に向けた課題」を聞いたところ、「女性社員が少ない」(58.4%)、「女性のリーダーが管理職にいない、または少ない」(48.0%)の回答が約半数を占めた。
このほか、「現場の女性設備・備品が充実していない」(22.4%)、「現場での研修制度が充実していない」(17.6%)、「現場でのセクハラ・パワハラなどのハラスメント防止に関する意識が低い」(14.4%)となった。
最後に自由回答における「建設業界の女性活躍推進に対する意見」をみてみると、
「女性が少ないので、現場のことを相談しにくい時がある。今は女性の先輩がいるので相談しやすいが、次のプロジェクトでは女性が一人になったときに働きにくくなるかもしれないと少し不安を感じる」
「女性同士の方が相談しやすい内容などもあるし、女性の割合が少ないとどうしても男性よりの意見になる場面が多い」
「まだ女性管理職が少ない点も、女性の働きづらさが改善されない理由の一つだと思う」
「女性が自分しかいないので、自分一人だけのために設備・備品を整えてもらうことはなかなか難しい」
などの意見が上がっている。
これに対して、J-cast 会社ウォッチ編集部が国土交通省に話を聞くと、
「国土交通省では、都道府県建設業協会や地方建設業協会、専門工事協会、都道府県が主催する『女性部会』といった建設業で働く女性にかかわる団体の設立支援などを行っており、働く女性のネットワーク構築を進めているところ。
団体での女性同士の意見交換会やざっくばらんな座談会などの交流を通じて、建設業で働く女性が一人で悩まずに相談できる体制の支援に努めている」
と話しており、建設業界の「女性活躍推進」における実際の取り組みも進んでいる。
なお、この調査は2023年1月24日から2月3日までの間、オンライン上のアンケートを行った。調査対象は全国の建設現場で勤務する女性職員で、有効回答数は125人。