日本独自の株式投資の制度として定着している「株主優待」について、8割の個人投資家が「株式投資のモチベーションになる」と答えていることが、マネックス証券の調べでわかった。
ただ、株主優待が日本独自の制度であることを知らない投資家が、約4割にのぼることも明らかになった。
株主優待の権利をもらえる企業が1年で一番多い3月を迎え、同社に口座を保有している人を対象に、「株主優待と配当金に関する調査」(有効回答者数は5862人)を実施。2023年3月14日に発表した。
日本独自の株主優待制度、70代以上の約半数が「知らない」
調査によると、5862人の個人投資家に「株主優待があることは投資をするモチベーションになりますか?」と聞いたところ、78%の投資家が「モチベーションになる」と答えた。【図1参照】
また、日本株の個別株を保有している投資家のうち、88%の人が「株主優待がもらえる銘柄を保有している」という。マネックス証券は、「上場企業の約4割が株主優待を導入しているので、個別株の保有者の90%近くが4割の企業のどこかに投資をしているということがわかりました」としている。【図2参照】
さらに、「株主優待が投資のモチベーションになる」と答えた投資家のうち、83%が株主優待のない銘柄も保有していた。
株主優待は確実に投資のモチベーションにつながっているものの、多くの個人投資家は株主優待を受けられなくても個別銘柄へ投資している、ということだ。
ちなみに、株主優待を受けられる銘柄の保有数は「2銘柄以上5銘柄未満」の投資家が44%。90%近い投資家が株主優待を受けられる銘柄を、複数を保有。株主優待制度を活用していることがうかがえた。
そうしたなか、「株主優待は日本独自の制度であることをご存じでしたか?」との問いに、「知っていた」と答えた人は63%、「知らなかった」人は37%だった。
しかも、意外にも20~30代では80%以上の投資家が、株主優待が日本独自の制度であることを「知っていた」が、年齢が上がるにつれて認知率は下がっていた。
比較的資金に余裕があり、株式投資に熱心と思われている70代以上の個人投資家の約半数が、株主優待が日本独自の制度と知らなかった。
同社は、
「米国株などの海外の個別株を取引する投資家の平均年齢が、日本株(個別株)を取引する人の平均年齢より低いため、若い投資家ほど株主優待が日本独自の制度であることを知っているのかもしれない」
とみている。