以前は、観客席がガラガラ 「OhtaniがWBCを救った!」
それにしてもなぜ、これほどまでに米メディアは「Ohtani」を絶賛するのでしょうか? あの高級紙ニューヨークタイムズは、次のように大谷選手の功績をたたえています。
Japan's Shohei Ohtani made the World Baseball Classic 'real' (日本の大谷翔平選手のおかげで、WBCがやっと本物になった:ニューヨークタイムズ紙)
ニューヨークタイムズは、今大会で5回目を迎えたWBCが、大谷選手の活躍やすばらしい決勝戦のおかげで、「must-watch tournament」(必見の大会)に昇格したと伝えています。
じつは、2006年に始まったWBCは比較的歴史が浅いこともあり、サッカーのワールドカップやオリンピックと比べて認知度が低く、盛り上がりに欠けるとされていました。
今では信じられませんが、2006年3月に東京ドームで行われた日本対中国戦の観客数はわずか1万6000人! 大会を通じた平均観客数が1万8900人と、今大会の満員の観客席がウソのような数字だったのです。
当時取材をしたスポーツ記者は、「ガラガラの観客席を見つめる王貞治監督の姿が忘れられない」と書いていました(朝日新聞デジタル)。
野球を愛する米国人としては、大谷選手や日本チームの活躍でWBCに注目が集まり、野球ファンが増えたのはうれしい限り。ニューヨークタイムズは、ようやくWBCが「in orbit」(軌道に乗った)と伝えていました。
まるで違う惑星から現れたような大谷選手の活躍。勝負の勝ち負けを超えた大きな感動と喜びを、世界中の人たちに与えてくれたようです。
それでは、「今週のニュースな英語」は、大谷選手をたたえる表現の数々を取り上げます。メディアがありとあらゆる表現で、怪物ぶりを伝えています。
Ohtani is mythical god
(大谷は、神秘的な神さまだ)
Ohtani is two-way superstar
(大谷は、二刀流のスーパースターだ)
Shohei Ohtani is baseball's biggest star
(大谷翔平は、野球史上最大のスターだ)
優勝後に行われた米フォックステレビのインタビューで、「小さいころに憧れていたメジャーリーガーは?」と聞かれた大谷選手。
この時、コメンテーターとして同席していた2人の元メジャーリーガー、アレックス・ロドリゲス氏とデービッド・オルティズ氏の名前を挙げる「神解答」に、2人のレジェンドは大喜び!
「Ohtaniに選ばれた!」とはしゃぐ姿に、球界の大先輩を虜にする大谷選手の「人間力」が伝わってきました。大谷翔平選手28歳。歴史に残る「ユニコーン」です。(井津川倫子)