「GEOグループでは41歳で500万円くらい」は正しくない
ゲオグループの連結従業員数は、2018年3月末の4222人から右肩上がりで伸びており、翌2019年3月末から4390人→4932人→5304人→5333人と順調に増えています。
特に2020年3月期には、コロナ禍にもかかわらず1年間で542人も増加していますが、この理由について会社は「新卒採用並びに業容の拡大に伴う期中採用の増加」によるものと説明しています。
ゲオHDの単体従業員数は2018年3月末以降、256人→242人→314人→419人→408人と推移しています。なお、2021年3月期に105人増えた理由は「主として組織再編により当社連結子会社への出向を解除したもの」としています。
ゲオHD従業員の平均年間給与(単体)は、2022年3月期は500万7027円に。平均年齢41.06歳、平均勤続年数11.90年となっています。とはいえ、これはある時点での持株会社における平均であり、これをもって主要事業を担うグループ会社の給与相場は判断できません。
ゲオHDの採用サイトを見ると、バイヤーや店舗開発から、社内SEや経営企画など幅広い職種で中途採用を行っています。
たとえば、「GEO」のリテール商品課バイヤー・MD(実務担当)の想定年収は500~800万円。前述の従業員の平均年間給与を上回っています。社内SEのセキュリティエンジニアでは400万円~900万円、経営企画室の実務担当は700万円~900万円です。
このように、給与テーブルががっちり決まった伝統的な大企業のように「GEOに入ると41歳で500万円くらいらしい」という見方は、必ずしも正しいとはいえません。持株会社のデータを見るときには注意すべき点といえるでしょう。
なお、ゲオホールディングスは2023年3月15日、2023年3月末在籍の正社員に10万円、継続雇用社員に5万円の特別手当を支給するとともに、2023年4月分より正社員の賃金を一人当たり合計17193円、6.64%の昇給をすると発表。あわせて、大学卒新卒社員の初任給を現行の20万8000円から23万円に引き上げるなどの改定を行うとしています。