公取委は「運用改善策」を指摘 ただし、アプリストアの開放で有害なコンテンツの拡散も?
公取委は課金について、一方的に高額な手数料を設定して事業者が不利になるのは、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」などにあたる可能性があるとの見解を示した。
このOSとアプリストアの問題のように、競争が不十分な市場では、寡占企業により新規参入が阻害されるなど、消費者が不利益を受けかねない。
このため、公取委は「参入の余地を拡大するなどの競争政策上の対応が有効」と指摘。利用者が別のOSのスマホに乗り換えやすくするためにデータポータビリティー(持ち運び)を提供する▽OS機能やシステム更新の情報開示▽公平なアプリ審査▽自社以外のアプリ内課金システムの容認――などの運用の改善を促している。
ただ、報告書はグーグルやアップルが独禁法に違反する行為があったと認定しているわけではない。また、列挙した運用改善策も、強制力はない。
実際、2社は自社を有利にするためのデータの不正利用などを否定している。また、仮にアプリストアを開放すれば、不正目的の事業者が入り込む危険性が高まるとの見方もある。
有害なコンテンツの拡散を防ぐことや、安全性を確保するといったプラットフォーマーとしての役割を考えると、単純にアプリストアの開放=善と言い切れない面があるのも事実だ。