どうしたFRB? 金融不安のさなか0.25%利上げ! エコノミストが指摘...「FRBも迷っている」「景気・物価・金融...3つの使命の同時達成は不可能か」

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「タカ派」FRBと「年内利下げ」織り込む市場との乖離が火種に

米国国旗
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   今回、改めて示したFRBの「タカ派姿勢」と、それでも「年内利下げ」を織り込む市場との乖離(かいり)が金融不安の火種になりかねないのでは――。そう指摘するのは、野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏だ。

   石黒氏はリポート「FRBはタカ派姿勢堅持も市場の見通しとは乖離」(3月23日付)の中で、こう述べる。

「記者会見でパウエル議長は、FOMC参加者が年内の利下げを想定していないと述べるなど、FF金利先物が織り込む金利見通し(2023年末:4.18%、ドットチャートでは4.25%)との乖離が目立ち、今後こうした点が金融市場の火種となる可能性もあります」
「FRBが高金利政策を堅持すれば、金融機関の経営の不確実性が増すことにつながりかねないほか、今後、レバレッジドローンなど信用力の低い企業の資金調達を圧迫することも想定され、FRBの金融政策の動向には留意する必要がありそうです【図表1】」
(図表1)FF金利誘導目標上限値と米レバレッジドローン100指数(野村アセットマネジメントの作成)
(図表1)FF金利誘導目標上限値と米レバレッジドローン100指数(野村アセットマネジメントの作成)

   そして、イエレン米財務長官の発言が問題だとした。

「こうしたなか、イエレン米財務長官が22日、米国の銀行システムを安定させるために『全面的な』預金保険を提供することは検討していないと述べ、米銀行株が急落しました。金融不安を巡る投資家の警戒は依然根強いといえます。FRBは『インフレの抑制』と『金融システムの安定』という2つの難しい問題に取り組まなければならず、金融市場は当面値動きの荒い展開が続きそうです」
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