発電と送電を分ける「送配電分離」問題 内閣府の有識者会議で新たな動き...電力会社と送電子会社の資本関係切り離す「所有権分離」を迫った理由

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大手電力による新電力の「顧客情報不正閲覧問題」発覚...新電力撤退で、電気料金高騰の「可能性も否定できない」

   不正閲覧を問題にしたのが、内閣府の有識者会議「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」だ。2050年カーボンニュートラル実現のカギを握る再生可能エネルギー拡大の障壁となる規制等を総点検し、必要な規制見直しや見直しの迅速化を提言するため、20年に設置された組織だ。

   この現在の所管大臣が、河野太郎消費者問題担当相。折しも、エネルギー価格高騰を受けて、大手電力7社が電気料金値上げを申請。許認可権を持つ経済産業省で審査中だが、河野氏は23年2月、一部大手電力から、値上げについて消費者相の立場で異例のヒアリングをし、大手電力と「対決」したばかり。

   こうした経緯を経て有識者会議は3月2日、「所有権分離」を含めた構造改革を含む提言をまとめた。

   この中で、不正閲覧は「新電力が大手電力の小売部門と競争することを著しく困難にする」と指摘。「新電力が不当に撤退を余儀なくされたり、電気料金が高騰したりした可能性も否定できない」と指摘し、罰則の強化などとともに、所有権分離を求めた。

   有識者会議は、政府が6月ごろにまとめる予定の「規制改革実施計画」に提言の内容を盛り込みたい考えだが、政府案として採用されるかは不透明だ。

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