「電チャリで子どもの安全が確保できるなら、贅沢ではない」
――ところで、回答者の中で多かったのは、いったん家計の役割分担を決めたのだから、電動自転車は妻が買うべきだという意見です。「バックのおねだりにたとえる態度は甘えている」「保育園の送り迎えはママチャリで十分、電気自転車は贅沢だ」という批判も多かったです。
川上敬太郎さん「ご夫婦それぞれの負担区分に沿えば、投稿者さんが買うべきものなのだろうと思います。その点、回答者の方々のご指摘はもっともですし、投稿者さんご自身も『本来の負担区分では私の担当となりますが』と書かれているように、その点は理解されているのではないでしょうか。
また、『電チャリが贅沢というのは分かるものの......』と書かれているので、贅沢だと感じているようです。ただ、毎日発生する送り迎えの負担を軽減するための道具が贅沢だとは、一概には言えないようにも思います。負担感は人によって異なりますし、体力もまた人それぞれ異なるものだからです。
お子さんを乗せるわけですから、最も重要なのは安全性だと思います。毎日の送迎で疲弊したり、体力を消耗して自転車がフラついて事故を起こしたりしては、悔やんでも悔やみきれません。もし、電動自転車の購入でそんな心配が回避できるのだとしたら、一概に贅沢とは言えないようにも思います」
――それとは逆に、いまや電動自転車は、洗濯乾燥機、ロボット掃除機、食洗機と並ぶ共働き・子育て世帯の「4種の神器」だという意見もありましたね。
川上敬太郎さん「地域によっては、自家用車がないと買い物もままならない場合もあります。ただ、どんな移動手段が必要かは、かなり個人差があるもの。歩くのが好きで、2、3キロなら買い物でも平気で歩く人もいれば、100メートル先にある自動販売機でジュースを買うのでも車に乗るという人もいます。
電動自転車が『4種の神機』に該当すると思うかどうかは、その人の考え方や置かれている状況などにより、見解が異なってくるように思います」
――電動自転車を買うことを断固拒否している夫に対して、「残念な夫だ」「自分も送り迎えの育児負担をするべきだ」という批判が多く寄せられました。
川上敬太郎さん「批判している人の多くは、ご自身も電動自転車の必要性を実感したことがあるのではないでしょうか。その実感が他の人にも当てはまるかどうかはわかりませんが、少なくとも電動自転車の必要性を強く感じている人は、投稿者さんだけではないということなのだと思います」