悲劇を生むのに...なぜ人は「マウント」をとってしまうのか?【尾藤克之のオススメ】

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社会的地位を得ることの意味とは?

   「自分よりも成功している人を見ると負けた気になる」と打ち明ける成功依存症の人は、意外にも、たくさん存在する。しかし、社会的地位を高めても、それだけでは幸福になれないことを歴史は証明している。

   お金が欲しいのは必要なものが買えるからで、それ以上の理由はないと成功者は口をそろえるだろう。ダライ・ラマは、「人は1本しか指がないのに20個の指輪を買います。そうやって地位を高めるのが、私たち人間の生来の習性なのです」と説いている。

   世俗的な成功を収めて地位を高めたいという願望は、一歩間違えれば、強迫的な情熱へと変貌する。問題は、この種の成功は、すべての依存性物質と同様に、どこまで行っても切りがなく満足に至らないことにある。どれだけ有名になろうと、どれだけ裕福になろうと、どれだけ権力を手に入れようと、満足する人はいないということになる。

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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