セブン&アイHD、ヨーカドー店舗2割削減&「祖業」衣料品は「完全撤退」 だが、必ずしも「スーパー事業」の見切りではない理由

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スーパー事業のうち「食品」強化へ 新コンセプト店舗「SIPストア」も、成長に寄与できるか?

   今回、衣料品からの撤退を打ち出したことで、スーパー事業の中では食品に経営資源を集中することになる。

   食品でポイントになるのが、PB商品「セブンプレミアム」だ。コンビニの食品売上高の約4分の1を占め、他のコンビニに対し優位に立つ力の源泉でもある。

   その開発は、豊富な品ぞろえで消費者ニーズを把握するなど、幅広い顧客を持つスーパーのノウハウやインフラが欠かせないという。この点、百貨店は、シナジー(相乗効果)が期待できないから売却対象になったというのが、業界関係者の見立てだ。

   今回発表した「中期経営計画のアップデート」でも、「『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」という将来像を掲げた。

   コンビニとスーパーの関係で言うと、すでに「SIP」(セブン―イレブン・イトーヨーカドー・パートナーシップ)を打ち出し、これまでハロウィーン、イチゴ、中華と計3回の合同フェアを開催し、連携強化を図っている。

   今後はさらに、コンビニとスーパーを組み合わせた新しいコンセプトの店舗「SIPストア」も展開予定だ。SIPストアは、店舗面積、取扱商品数でコンビニの2~3倍程度とされる。ただ、SIPストアは、ライバルのイオングループの「まいばすけっと」と競合することになり、簡単な戦いではない。

   こうした取り組みでいかにシナジーを発揮していくかが、セブン&アイHDのスーパー事業の将来を左右する。(ジャーナリスト 済田経夫)

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